松井なつ代のやま

ステンシルのイラストや本の紹介、麹の話、そのたいろいろ。

滅びの道

江戸時代や明治の初め頃、
海外から日本にやってきた人達は、
旅行記を残している。
そんな中に、日本人は体が小さく華奢なのに、
力も体力もあると驚いている記述がある。
確かに古い写真など見ても、
武士など重そうな刀をたくさんぶら下げているが、
かなり貧弱な体型である。
外人のみなさんから見れば、
顔も幼めで子どものように見えたかもしれない。
私的に見ると、やはり食べ物のおかげではなかろうかと。
なぜなら、何にでも書いてあるが、
最も発酵食品が多様で日常的に食べられているのは、
アジアだからである。
昔は平均寿命は低いと言われるが、
ごく幼い時期に死ぬ子どもが多かったせいもあり、
無事生き延びた人は、それなりに長寿であった。
地域にもよるが。

現在の我々はかつてのような食生活をしていないし、
ライフスタイルも変わった。
実際農薬については間違いなくワースト3に入るし、
お薬の消費もそうである。
日本人はお薬が本当に好き。
世界の人口の2パーセントの日本人が、
世界の薬の4分の1を消費しているというから。
そしてGMについてはこれも、
世界一たくさん食べていると言われている。
これに加えて、清潔志向、消毒殺菌抗菌グッズの氾濫。
日本人は多分最も細菌叢の貧弱なヒトになっていると思う。

新自由主義者たちは賢いから、
カモを見つける目は確かである。
日本は世界の人が手を出さない危険な薬や農薬や、
廃棄物の処理場となっている。
滅びかかっている事に気づかないまま、何の抵抗もせず、
進んで滅びてしまうという。
まさに我々は滅びるにふさわしいと言えるのかもしれん。

これは日本人という生物の事で、
日本文化という面ではすでに限界点を超えていると思う。
文化遺産の価値などは理解していないし、
わかろうという気持ちもないだろう。
お金になるなら何でも売っぱらう。
日本食文化の要の築地市場を躊躇なく壊し、
カジノにしようとしているように。
もうすでにそういう事はあちこちで起きていて、
ばれないようにこっそり歴史的な建築物を壊したりしている。
保存維持管理にかかる手間とお金を考えると、
更地にして儲けたいという気持ちになるのだろう。
仏像や甲冑など良いものは海外に沢山売られている。