松井なつ代のやま

ステンシルのイラストや本の紹介、麹の話、そのたいろいろ。

物悲しくも壮大な気分

先日買ったCDの解説を読んでいたら、
意外な記述に会った。
ロビーのお母さんは先住民の女性であると。
改めて調べてみたら、ラストワルツの解散から、
なお11年を経て、インタビューの中で本人が話したらしい。
その後は積極的に先住民の音楽をテーマにしたアルバムなども、
作っている。
父親はユダヤ人のプロのギャンブラーであったが、
タイヤ交換中に道路で車にひかれて、
彼の幼い時に死んでいる。
お母さん以上になかなかびっくりである。
ロビーはインディアン居住区で、
ほとんど極貧と言えるような子供時代を過ごしたらしい。
うーん、である。
私の好きだったチャールズとロビーはともに、
バンドの中のソングライターであったが、
やがてチャールズはフェイドアウトして自死に至る。
私は内心、彼をスポイルしたのはロビーに違いないと、
根に持っていたのだが、笑、
それぞれに複雑なものがあるのかもしれない。

ついでにみんなのウイキを見てみたが、
リックダンコは田舎の農家の倅で、
その頃の日常の中にあったフィドルに親しみ、
ポルカなんかも好きだったと。
いかにもいい奴そうな可愛いリックが想像できる。
ローラインガルスのパパのように、
その頃生活の中には、楽器や歌があったんだね。
ガースだけは大学も出ているインテリ階層の人で、
父親は昆虫学者である。
彼は、教会のオルガンに夢中になって、
この道に入ってきたのである。
あのキースも聖歌隊ボーイソプラノで歌っていた。
イギリスにおいても、ビートルズにしろ、
ストーンズにしろ、いわゆるチャブである。
我々の若い頃に嗜んだロックは、
こういう人たちが作り出していたんである。
ビッグピンクのジャケットの絵は、
ディランの手によるものだが、
頭に羽をつけた人物が一人描かれている。
ディランはロビーの出自を知っていたんだろう。
二人はユダヤ人繋がりでもある。

あらゆる歴史はこうして作られていって、
そして二度と元に戻ることはない。
何もかもがうねるように、変化して、
様々なことが影響を与え合い、今を作っている。
なぜか物悲しくも壮大な気分になってしまった。