松井なつ代のやま

ステンシルのイラストや本の紹介、麹の話、そのたいろいろ。

遺伝子組み換え3

さて、このか弱くて美味しいジャガイモくんに、
病気に対する抵抗性遺伝子を組み込ませようというのだ。
その遺伝子をどっか遠い種から選ぶのではなく、
自然に交雑できるような近縁種から持ち込む。
出来たものは完全に自然な生産物と変わりがなく、
かつ病害虫に抵抗性を持つことができる。
これはシスゲネシスと呼ばれる手法である。
これは結構良さそうに思った。
グリンピースが頑固に反対していて、
EUで流通できないとか。

交雑は遺伝子組み換え種子の大きな問題であった。
交雑はその種が風媒であるなら、特に起きやすいと言える。
例えばトウモロコシ。
以前遺伝子組み換えに関する映画で、
恐ろしい奇形のトウモロコシをたくさん見た。
GM種子と自然のトウモロコシの交雑種である。
まぁ奇形と言うのは人から見てそう言えるというだけで、
白い麹カビも奇形と言えば奇形であり、
突然変異というのはそういうものなのかもしれないが。
しかし自然に交雑が起きて、おかしい方が主流になれば、
元のトウモロコシは駆逐されてしまう可能性がある。
だから同じ仲間の中で、
交雑のことを心配しなくていいのは、
大変素晴らしいことである。

モンサントの作り出した遺伝子組み換え鮭は、
普通の鮭の何倍も大きい。
これは、鮭が冬の間成長を止めるという特徴を、
年中成長するなんとかという、
なまずだかウナギだかの遺伝子を入れることで、
短期間にどんどん成長するように変えたものである。
これなどは同じ魚でも遠い種から取ってきている。
生殖能力はないから自然界に与える影響はないと、
言われているが。
これはアメリカでは動物の第1号で、素早く認可がでて、
すでに商品として流通している。

国民の根強い反対、とかまるで悪いみたいに言われるが、
実際モンサントの社長も、
オバマもオーガニックのものを食べている。
遺伝子組み換え米は、国内では反対が多いから、
日本で食べてもらう、と、
アメリカの農水省がはっきり言ったりする。
金持ちはオーガニックを食べるけどね、安全だけど。
安全だから、貧乏人(黄色人種)は文句を言うなという、
明らかな差別意識があって、
納得がいかないのも当然だろうと思う。