松井なつ代のやま

ステンシルのイラストや本の紹介、麹の話、そのたいろいろ。

チャヴ3

チャヴを読んでいると本当に辛くなる。
日本が今まさに進んでいる道で、
身につまされるとはこのことかと思う。
言葉の意味として、
多くの国がそうなっていく道筋を、
先頭切って進むという意味で、
イギリスこそが真の先進国だと思う。
さすがにイギリスである。
政府の政策とその結果起きている事と、
それを全て自己責任として押し付ける対応、
全てが同じである。
面白いのは日本もイギリスも最も力があったのが、
炭鉱労働者の組合であった。
これを潰せば、自動的に他の組合が衰退していく。
仕事はなくなり組合は潰され、
コミュニティーは崩れ労働者の誇りはズタズタになる。
そして労働党は彼らの味方にならない。
恐ろしいほど孤立無援で、
ただ嘲りを受けるしかなかった。

織物生産で栄えた町の衰退と崩壊が出てくるが、
そういえばイギリスは上等の毛織り物の産地であった。
ちょうどばあさんの家の大掃除をしているが、
素晴らしい品質のイギリス製の襟巻き、
しっかりした紳士物のコートが出てくる。
日本にとって「上等舶来」の製品の一部は、
イギリス製であった。
アイルランド人を追い散らして羊を飼ったり、
インド人をこき使って作らせた綿花であったりする訳だが、
確かにイギリスでは高品質の布が作られていた。
そして今やそれもなくなったんだなぁと、
日本人ながらしみじみ思った。