松井なつ代のやま

ステンシルのイラストや本の紹介、麹の話、そのたいろいろ。

「チャヴ」

今日は前から読もうと思っていた本をゲットした。
「チャヴ 弱者を敵視する社会」
チャヴとはイギリスの労働者階級を指す、
差別的な名前である。
イギリスは昔から、今でもクラス社会であるのは、
知られたことだが、ここまで露骨に堂々と、
新聞やテレビや政治家の口で語られているとは、
意外だった。
イケメンのベッカムや、強いルーニーでも、
例外ではなく、ことあるごとにチャヴと蔑まれる。
人種や宗教や性的マイノリティーの差別なら、
罰則があって一発でクビになることさえあるのに、
自国の労働者には何を言ってもお咎めなしであると。
「チャヴは労働意欲がなく愚鈍で不潔で暴力的で、
セックスとクスリの中毒で獣じみている」
というストーリーは繰り返し語られ、
これが社会保障費を削減する口実になる。
住む地域もちがい、子どもの時から私立有名校で学び、
主要メディアの記者になる人は、
そもそも労働者階級の人間を知る機会すらない。
政治家ももちろん然り。
イギリスでは近年ますます、
この分断が激しくなっているようだ。
日本でも嫌な話が多いが、ここでもまた、
想像以上の酷さで、狂気すら感じる。
どうしたらいいの、という感じ。