松井なつ代のやま

ステンシルのイラストや本の紹介、麹の話、そのたいろいろ。

まだあった…

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今日は別の部屋の押入れを開けたら、
巨大な金属のつづらが入っていて、
次から次へと着物が溢れ出てきた。
ここに古い着物が入っている事は知っていた。
ずっと前虫干しした事があるから。
でもその時は私はお手伝いで、
全体の内容までは把握していなかった。

単の振袖の黒留袖が出てきて腰が抜けた。
いくらなんでもレア物すぎる。
どなたさんが存じませんが花嫁さんが着たものだろう。
単の喪服も。単の喪服も初めて見た。
そして、私は戦意喪失した…
私は雀が大好きだから、
恨まれるような事は決してしていないのに。
なんでこんなつづらを開けることになるのか…
男物の夏物も多数。
若い娘さんの道行がとても素敵。
橘か、大胆にでかい。
隣の菊は羽織だがこの柄もいいなぁ。
地の柄と白い菊のえもいわれぬ取り合わせ。
明日から3日間雨らしい。
まだちっとも乾いていないから、
出しておく以外ない…

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ついでにそうだと思いついて、
箪笥に入っていた一つ身の晴れ着を出してみた。
うちの子どもはお宮参りなど行かなかったが、
息子夫婦は行くかもしれん。
まだ生まれてないけど、女だというのはわかっている。
これも古いものだがとても美しい。
こういう柄も本当に可愛いなぁと思う。
なんとも言えない模様の重なり、
基本的には貝合わせの貝の模様なんだけど、
絞りの部分にちょっと唐草が入って、
そこは絞りが避けて入れてない。
そういうちょっとした所が不思議。
写ってないけど御所車もあって、
それはテイストが少し違う。
布地には織り柄があって、微妙に立体的になっており、
ツヤのあるとことない所がある。
その上に絵が描かれているので、
実に複雑な表情になる。
こういう着物の柄の味わいは、
現代人の感覚と全く違って私には絶対できない。
着物の文化は只今崩壊中で、近い将来一気に消えそうだが、
絶滅するのは惜しいものである。