松井なつ代のやま

ステンシルのイラストや本の紹介、麹の話、そのたいろいろ。

「昆虫はすごい」

丸山先生の名著「昆虫はすごい」にかかった。
これは素人が昆虫に興味を持つきっかけになるような、
優れた入門書で、全体的なことから、
あっと驚く珍しい生態までバランスよく入っていて、
実に面白い。

やるき氏が好きなキノコ栽培業を営む蟻の事が、
これにはやや詳しく出てくる。
ハキリアリが有名だがシロアリにもキノコ栽培者がいる。
アリとシロアリは蟻の白いやつと黒いやつほどに、
考えがちだけど、実は、
アリがハチ目、シロアリがゴキブリ目で、
かなり遠い関係にある。
住むゾーンも離れた遠い関係の種が、
それぞれに独自にキノコ栽培にこぎつけたのである!
栽培技術は実に高度で本格的。
土の中に菌床はあるが、別の菌が繁殖しないように、
胸部から出る抗生物質を使って、
お邪魔な菌は排除する。
土壌菌はいっぱいいるから、そういうことでもしないと、
菌床はあっという間にカオスと化してしまうだろう。
人間と違うのは、我々は子実体を食べるが、
彼らは菌糸を食するのである。
菌糸の方がいっぱい取れるから、
わしらもそっちを食べたほうがいいんでないかな。