この前読んだ「誓います」で興味深かった事を一つ。
ダンのお母さんはアイルランド系カトリックで、
信心深くお節介なおばさんである。
ダンとテリーは、深く愛し合っているのだから、
絶対に結婚すべきであると主張する。
男と男であるという事は、まったく無視である。
本人たちは別に結婚する必要はさほど感じていない。
特にテリーはストレートの真似事はゴメンだという気持ち。
ダンは相棒の病気などの際に意思決定する権利や、
社会保障などの受取人として、
認められるという法的な結婚の制度的側面に、
魅力はあることはあるが、、という立場である。
大反対の意思がはっきりしているのは、
5歳の息子氏である!
彼は結婚は女の子と男の子がするもんだから、
パパたちはしてはいけないと力説する。
こういうジェンダー観を彼はどこで身につけたか。
彼の通う幼稚園はシュタイナー系で、
先生たちはそういう事を教えない。
もちろんダンとテリーも教えるはずがない。
彼は幼稚園のお友達から仕込んできたのである。
多分、元をただせばお友達の一人が、
親なり兄弟なりから仕入れたのかもしれないし、
本人がそう判断したのかもしれないが、
同年代の仲間内で共有される事で、
自信たっぷりの主張となる。
なんか、同年代の説得力で、うん、そう、
絶対そうだよねぇ、みたいに盛り上がっている様子が、
目に見える気がする。
実際子どもが幼稚園の時にたような光景見たし。
小学生から高校生あたりまでの、
うっわーダッセェー!
きゃーかわいい!
等の世代的共通意識、常識は、
こういう風に形作られているのではないか。
逆に言えば、学校などの同世代の集団の中で、
価値観が共有されるシステムについて、
詳しく調べれば、
差別意識などの定着に対する有効な対応が、
できるかもしれない。
なんてことはないかなぁ…