松井なつ代のやま

ステンシルのイラストや本の紹介、麹の話、そのたいろいろ。

中西悟堂続き

文芸史をおさらいするような部分も、

大変面白い。
登場人物も実に多彩。
私は木村荘八の絵は好きだったが、
早熟で大変能力の高い人だったんだね。
思想関係の分野も、
思想史の教科書のよう。
ただ彼が読んだ本会って語り合った人が、
順次出てくるだけだが、
状況の把握や自分の考えなどが、
非常にクリアに整理されているから、
文章が明晰で、かつわかりやすい。
頭がいいとはこういうことなんだな。
その後武蔵野の原野で無銭生活に入る。
これも型破り。
食事は蕎麦粉と生の大根松の芽。
火を使わない。
林の中でホイットマンの「草の葉」の、
翻訳などを楽しみながらやる。
場所は千歳烏山のあたりというが、
今となっては全く想像もつかないほどの、
誰もいない荒野のような場所だった。
この人はアナキスト臭いと思っていたが、
この人里離れた場所の少し近所に、
農業をやりながら住んでいたのが石川三四郎
彼とも親しく付き合っている。