松井なつ代のやま

ステンシルのイラストや本の紹介、麹の話、そのたいろいろ。

続き

この男性のすごく楽しかった思い出にこういうのがある。

お正月を仲間と過ごした時、3人で釣りに行った。
チカという魚が、それも小さいのが1匹だけ釣れた。
それを持ち帰り、3人で分けてちょっとづつ食べた。
これはまるで、入院しているとできない事を、
ピックアップして繋げたようなエピソードである。
こういう楽しさが我々を幸せにしてくれる。
安心できる友達関係が病気を治す助けになる。
彼が病院を出られた事は本当に良かった。
しかし日本ではここは例外的な場所で、
今もなお多くの人が病院に閉じ込められている。
こういう試みはたいてい、
総論賛成だがうちのバックヤードで、
やらないで欲しい、と言う人々に阻止される。
イタリアではそれができて、
日本でできないと言うのは、、残念。
いろんな問題に同じ事が言える。

「治したくない ひがし町診療所の日々」
斎藤道雄著  みすず書房