松井なつ代のやま

ステンシルのイラストや本の紹介、麹の話、そのたいろいろ。

「治したくない」

姉に借りたこの本をちょっとめくったら、

面白くて一気に読んでしまった。
字はでかい。
何年か前に読んだ、
「精神病院を捨てたイタリア捨てない日本」
という本のことを思い出す。
この本もやまで紹介したとはずと思う。
バザーリアと言うイタリア人が、
全ての精神病院をなくし、
国中の精神障害者が、
街の中で暮らすようになった。
その奮闘の記録である。
方や北海道は日赤浦河病院の川村敏明先生は、
適切な対応で徐々に入院患者が退院し、
精神科のベッドがガラ空きになる。
そして病棟そのものが閉鎖することに。
先生は浦河ひがし町診療所を開業し、
いよいよ積極的な入院しない治療体制作りを開始する。
この二人はやってることも言ってることも、
基本的に同じ。
この本の後ろの方で、著者が、
バザーリアと川村先生を比較して語る部分もある。
これはもしかして収斂進化だろうか。
知っての通り我が国精神医療の現状は、
凄まじいものである。
入院患者の数も入院期間の長さも、
他の国と比べると桁が違うダントツトップである。
社会が面倒な人は、
とりあえず目の前からいなくなって欲しいと望み、
病院経営者は利益が出るからありがたいと、
意見の一致を見た結果であり、
患者を長期に渡って閉じ込める事が、
国の政策の方針になってしまっている。

中に出てくる話はどれも面白いので次回また紹介します。