松井なつ代のやま

ステンシルのイラストや本の紹介、麹の話、そのたいろいろ。

「気持ち悪い」

世界にも連載があったから、

以前紹介したと思うが、
刑務所内の更生プログラムについての映画、
「プリズン・サークル」を撮った、
坂上氏のインタビューを読んだ。
その中に大学で講師として招かれ講義をした時の感想に、
「今日の講義は気持ち悪かった」
と一言書いた学生がいると。
ここでいう気持ち悪いという感覚は、
どういうものなのだろうかと考えていた。
生々しい現実そのものを、
個人の気持ちの揺らぎなども含めて、
受け入れたくないという拒絶の感情なのかと。
表面を取り繕って刺激を少なくした、
まがい物以外受け止められない。
リアルはキモい。
これは「暗い話は聞きたくない」のバージョンの、
一つではないか。
若者の中に、
自己責任論が広く行き渡っている状況らしいが、
これも論とかついてるけど、
そんなたいそうなものではなく、
全て本人のせいという風に突き放すことで、
現実を自分と切り離す技術なのかもしれない。
そうすればもう考えたり感じたりする必要がないから。