松井なつ代のやま

ステンシルのイラストや本の紹介、麹の話、そのたいろいろ。

水害の話

この所はコロナにもかかわらず、

抜かさず世界を買っている。
そうなると今度はいくらも読みきれないうちに、
次の号が来てしまう。
先々月のを見ていたら、滋賀県の元知事嘉田由紀子氏の、
治水政策についての記事があった。
今もあちこちで水害が出ているので
読んでみたが、大変面白かった。
この人はもともと研究者で、
フィールドワークはお手の物らしく、
徹底的に過去のやり方を調べたり、
外国のやり方を視察したりして、
素晴らしい政策をいろいろ残してきたようだ。
同じ知事でも、やたらと英語を使うのが好きな人もいるが、
滋賀ではハザードマップを地先の安全度マップと呼んでいる。
災害時の避難などは、老人だってするわけだから、
誰もがわかる日本語の名前にすべきではないかと、
前から思っていた。
適当な日本語がないなら仕方ないが。
ダムにたよらない、人的被害は出さない、
床上浸水にならないようにするなど、
具体的に目標を決めて住民の立場に立った、
治水政策をやっている。
この前読んだイギリス貴族の再野生化の本に出てきたが、
オランダは低い国だから、
さすがに治水の専門家をたくさん輩出していて、
世界中で活躍しているらしいが、
そのオランダでも現在主流の考え方は、
ダムや堤防では無く遊水地による治水である。
水を自由に流して管理するやり方が一番だと。
それでも日本は水害のたびにダム必要論が出てくる。
大手ゼネコンが儲かるだけ。
自治体のトップが住民のことを考えるのは、
当たり前のことなのに、
そうじゃない人が多すぎる。