松井なつ代のやま

ステンシルのイラストや本の紹介、麹の話、そのたいろいろ。

ローマ法王の続き

ローマ法王の話のなかに、
現在法王を支える枢機卿の一人、
前田万葉氏は五島列島の出身であるとあった。
数年前私が長崎と熊本を訪れた時、
友人がDVDを貸してくれた。
NHKのテレビ番組を録画したもので、
その一つが長崎の離島の教会の話であった。
その中に確か五島であったと思うが、
島出身の若い司祭が地元の教会に戻ってくる話があった。
常駐でなく船で通ってくるのだが、
島の信者の皆さんは本当に嬉しそう。
司祭様に対する尊敬に、
どうしても可愛いくてしょうがない感情が混じって、
我が島の司祭の誇らしさも、見ていてこちらまで、
嬉しくなるような微笑ましいものであった。
あれは時代的には前田氏ではないだろうと思うが。
司祭を大量生産している土地なのか。

信仰と言うのも、個人の生活信条、主義主張の一つである。
それがキリスト様やマホメット様の受け売りであると言うだけで。
その主張に共感すれば良い隣人としての関係ができるから、
小さな島の信者たちは、
仲の良いコミュニティの仲間という感じになる。

隠れ切支丹の厳しさは場所や条件によっていろいろで、
有名な生月島も出てきたが、
ここのように今も古いオラショが残っているような所は、
運のいい方のところである。
もっと緊迫感のあるところでは、
オラショも声に出して唱えることができない。
声に出さずにこれを覚えるのは難しいので、
どうしても引き継いで行けなくなってしまう。
これは以前読んだ本にあった話しだが。
それでも長崎ではそれぞれ離れた場所で、
信仰を捨てなかった人たちがいたが、
彼らも信仰を元手にする事で、厳しい生活の中でも、
良いコミュニティができ、
それは重要なことだったのかもしれない。