松井なつ代のやま

ステンシルのイラストや本の紹介、麹の話、そのたいろいろ。

日本人の人生

今日は悲観的な気分になっている。
いろんな国でいろんな問題が起きているが、
ブレディみかこさんの本を読んで驚いた。
イギリスの底辺近くの公立中学でも、
人権や政治の仕組みやジェンダーなどについて、
しっかりカリキュラムされている。
翻って日本の学校教育の実態は…。

日本の子どもたちは教師が求める像に最もうまく似せる事が、
良い事有利な事と思い込んでいる。
とにかく言われた通りにやる。
入社面接では、事前に会社の求めるものを、
微に入り細に入り調べ上げ、
明るくハキハキとした態度を見せつつ、
服装などで悪目立ちしないようによく注意する。
会社に入れば上の命令は自動的にこなす。
昇進につながる最も賢いやり方、それが仕事だと考える。
そうやって常にその時々の権力者に合わせながら生きていく。
実際そういう風にして乗り切ってきた人が、
現実的に勝ち組になっていたりもするんだろう。
バカだなんだと言っても、
首相がアメリカの大統領が望むままの行動をとっているのは、
やはり日本人の典型的な行動なのではないか。
彼にとってトランプに気に入られる事が、
大事でそれ以外は考えられない。
歓心を買うために、彼なりに涙ぐましい努力をしているのだ。

人はそういう風にしているうちに、
自分の考えや自分の望みや自由などは、
どういうものかもわからなくなってしまうのではないか。
倫理観などはかき消えてしまうし、
自分の判断を挟む事も放棄してしまう。
規則はそこにあるというだけで、
守る事が最も有利で利口な選択になるから、
内容を問題にするべきではないし、
抵抗するのはもってのほか、
そんなのは損するだけでバカのやる事なのだ。
左翼だ左巻きだとか言って毛嫌いするのも当然だ。
当面の上司に高評価を得る事が、有利で得。
そのための努力は惜しまないが、
それ以外何もない。それが人生。