松井なつ代のやま

ステンシルのイラストや本の紹介、麹の話、そのたいろいろ。

「羊飼いの暮らし」

f:id:natsuyono:20190708095903j:image

借りて読んだ「羊飼いの暮らし」が、
大変面白かった。
イギリスの湖水地方、北のほうの西側、
ピーターラビットのポターさんが押しまくった場所で、
数千年前とほとんど変わらない方法で、
在来種の羊を飼っている人が書いた本である。
フェルと呼ばれるなだらかな山と湖のある、
近年大人気の風光明媚な地方である。
著者はこの地で数百年続く畜産農家で産まれ、
祖父と父について、
子どもの時からこれを仕事として選んできた。
学校に入って自分の故郷湖水地方が、
外部の人から全く自分には不思議な方法で、
愛されているという現実を知り、
愕然とするところが面白い。
また、学校ではこんな田舎を出て立派な仕事につきなさい、
このままでは何も成し遂げられないと責め立てられる。
彼が望む羊飼いという仕事が、
汚らしい低級な仕事だと言われることに、驚き怒る。
彼のお祖父さんや両親はみな、
聡明で勤勉な人達で、この仕事に誇りを持っているのに。

この後、羊飼いの暮らしが、季節を追って詳しく書かれている。
この人の感じ方考え方問題意識は、あちこち同感だ。
また追って。