松井なつ代のやま

ステンシルのイラストや本の紹介、麹の話、そのたいろいろ。

木について

7枚目がなんとか完成に近づいている。
つくづく思うのは木というのは、
素晴らしいものだなぁということである。
加工は比較的容易であるのに、適度な硬さもある。
そして美しい。
木が素材として強い存在感を持っているせいで、
私のような下手くそが彫ったものでも、
それなりの風格、味わいと言うものがでて、
なかなか立派である。

つい先日「法隆寺を支えた木」という本を読んだ。
西岡常一、小原二郎の共著
西岡さんは言わずと知れた法隆寺の修復などを手がけた、
宮大工の棟梁であり、小原さんは科学者、
この二人が西岡さんの経験で得た木の特徴を、
小原さんが科学的なアプローチで検証する、
というかなり面白い本であった。

木というのは本当に不思議なもので、
材となって建築の材料として使われるわけだが、
伐った後じわじわと強度が高まり、
その後緩やかに弱くなっていく。
なんと千年を超えた頃に、
ちょうど新材と同じ強度になると!
これは新品の時が一番強くどんどん経年劣化していく、
人口の材料と大きく異なる点である。
これはびっくりである。
それも千年単位!
木を甘く見てはいけない、鉄よりも強いんだから。
我々の先祖が木を愛し多用した意味がわかった。
我々は少し木を見くびっているのではないか。
プラスチックなどかなうわけがない。