松井なつ代のやま

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表札のこと

今6枚目の表札を彫っている。
文字のデザインを含めて4日あれば彫れるようになった。
この前渡した友人が字の周りの、
さざ波のような彫りあとを気に入ってくれたが、
これが実は割に難しい。
木は自然物だから、縦横上下の向きと言うものがある。
また硬いところ柔らかいところがあり、素材が均質でない。
逆向きに彫ると、毛羽立って綺麗な彫りあとが残らない。
でも、文字の形によっては、
どうしてもその方向でしか彫れない場合もある。
だからいろいろ工夫して、
木さまのお気持ちに沿うよう、
木さまがお許しになるような彫り方を、
選びつつ全体をなるべく綺麗にする。
そういう所が難しいけど、楽しいところである。

また私の持っている篆書辞典で、
最も新しい時代の小篆という字を選んでいるが、
現在の字とほとんど変わらないものもあれば、
全く違っている事もある。
篆書の味が気に入っている場合は、
読めなくとも構わないという事になる。
郵便屋さんは番地で配達しているから、
表札のでていない家もいっぱいあるから、
ま、それでも構わんのでは無いだろうか。
とにかく二字の関係とレイアウトによっては、
形の決まりにくいものもあり、
そこは私の感覚の入る余地である。
小篆だけど、私の字でもある。
ま、そんなんで表札彫りはなかなか楽しいよ。