松井なつ代のやま

ステンシルのイラストや本の紹介、麹の話、そのたいろいろ。

「周期律」

プリーモ・レーヴィの周期律が素晴らしくて、
完全にびっくりであった。
休戦、これが人間か、今でなければいつ、
を読んだ後、イリスという短編集を読んだ。
化学者が小説家になると、
こう言う発想の物語ができるのかと驚いたが、
この周期律もまさにそれである。
姉が少し前に貸してくれたのだが、
いろんな本が飛び交っていて読み忘れていた。
アルゴンから炭素まで21の元素がタイトルになっていて、
それぞれのお話の中に様々な形で登場する。
しかもどれも面白い。
ああ、ここんとこまた読みたいと思うような、
充実した文章がいっぱい出てくる。
無駄のない美しい文章、上品なユーモア、
これは自分で持っていたい本である。

工作舎の本である。
私が若い頃は工作舎と言えば独特で、
憧れの出版社という感じだった。
当時えらい編集者と思っていた松岡さんも、
いろいろ読むうち徐々に好きではなくなり、
私にとって今ではすっかり影が薄くなっていたが、
これは良い本である。
1箇所誤植を見つけちゃったけど。笑
また改めて紹介する。