松井なつ代のやま

ステンシルのイラストや本の紹介、麹の話、そのたいろいろ。

ぷろ

今日は奥さんの方が個展に来て、
持っている肖像を買ってくれた人のご主人と話をした。
その人は私に、絵描きのプロなのか?
趣味ではないんでしょう?
と言う質問をするんだが、あるあるである。
以前なら、私自身もこういう捉え方をしていたから、
どっかしら不快に感じたかもしれない。
お金を稼ぐ人をプロと呼ぶなら、
そうではないよねー、みたいに余裕で笑って答えた。

だいぶ前にお金を稼ぐのをプロと呼ぶアレは、
完全に捨て去ったから、平気である。
日本ではプロという言葉はお金と切っても切れない。
市民運動をする人を、
お金で動員されているという意味で、
プロ市民ネトウヨさんたちが呼ぶくらいだからね。
今無銭経済宣言を読んでいるが、
著者のマーク・ボイルは、何をしても、
お金は絶対とらないから、プロではないという事になる。
またプロと比べてやや下に見られる趣味と言うもの。
登山家の山野井さんが自分にとって登山は、
高尚な趣味だと言っていた。
世界的なクライマーも趣味という。

呼び方はプロでも趣味でもなんでもいいけど、
私は絵を描くのは自分の仕事の一つと認識している。
(たまにフィギュアも作るけど。笑)
仕事と言うものは自分で勝手に決めればいいのだと思う。
仕事に決めたらあんまり無責任ではいけないというだけ。
できる限り真面目に一生懸命やる。
それだけでいいと思う。
お金を稼げる人をプロと言って崇めるから、
妙なプロが幅を利かすことになる。
仕事の中身で評価しなくてはいけない。
お菓子屋さんなら、
人の口に入れて安全な材料で正しい手順で、
美味しいお菓子を作る人を崇めなくてはいけない。
また、お金がたくさんもらえるから、
人は一生懸命仕事をするとは一概に言えない。
以前読んだ職人の話では、人にお礼の代わりに差し上げるものを、
凄まじく精魂込めて作る。
気持ちを込める事は、時間やお金と関係ないから、
普段の仕事以上の作品になったりする。

稼げない分、お金の方はなるべく使わない。
それに尽きる。