松井なつ代のやま

ステンシルのイラストや本の紹介、麹の話、そのたいろいろ。

遺伝子組み換え2

農業の現場では植物の病気との戦いの連続。
イチゴなどは凄まじい量の農薬が使われている。
しかし、絨毯爆撃的土壌殺菌の弊害、
農薬に耐性を持った菌の出現など、
化学物質の量をこれ以上増やすことで乗り切るのは、
難しいというところまで来ている。
またオーガニックを求める消費者も増えている。
そこで細菌の力を使って、
100%自然の防御剤を作る動きは、
まさに農薬を売りまくったその企業で、
大規模に始められている。
モンサントでは2014年に数百の微生物系統を、
10万以上の試験圃場で試験し、
2015年にはそれを倍加する目標を立てていると。

もう一つが遺伝子組み換えによって、
農薬を減らすという考え方である。
遺伝子組み換え種子が大きな抵抗に会うのは、
主にラウンドアップ耐性種子のせいと言える。
これは化学物質を減らすどころか、
これを使わずには栽培できない状況を想定している。
しかし科学者の中には、
もう少しまともな方針で研究しているものもいる。
テーマはジャガイモである。
ジャガイモは世界的に見て重要な作物であるが、
病気によってアイルランドなどで激甚な被害を出した。
ジャガイモが本来持っていた病害虫対策である物質(苦味)を、
人にとっての「美味しさ」という観点から、
取り除いた品種改良と、
一つの種を大規模に作る弊害、
そして種芋からクローンを作り続けるという栽培法、
これらはどれも病害虫のターゲットになる格好の条件である。
植物はそれぞれが自前で病原菌に立ち向かい、
強いものが生き残っていく。
それが進化というものであるが、
クローンには進化の余地はない。