松井なつ代のやま

ステンシルのイラストや本の紹介、麹の話、そのたいろいろ。

ファシズム

この「これが人間か」は完全版というくらいで、
本編のほかに、「若者たちに」と、
「若者の質問に答える」という文章が、
一緒に読める。
本の執筆はイタリアに戻ってすぐの事で、
最初の出版は成功せず、粘り強く交渉し、
1958年のエイナウディ社からのものが、
広く読まれその後版を重ねた。
多くの学校で講演をしたり、
若者と語り合ったりして、その中で出た、
主な質問にも答えている。

戦後しばらくの時を経て書かれたこれらの文章を読むと、
ファシズムと言うものが、どのように始まり、
形成されていくかが、よくわかる。
そして色々な例を見るに、
我が国の状況こそファシズムに一番近いのではと、
思わざるをえない。思い当たる節だらけ。
今、ハンガリー政権もやばいらしいが、
アベの日本は結構来ている。

「特に行政用語は、用心深くも、皮肉たっぷりな婉曲法が用いられていた。
「虐殺」は「最終的解決」
「流刑」は「移動」「ガスによる殺戮」は 「特殊処置」という具合だった。」

ヒットラーのドイツには特殊な(たしなみ)が広まっていた。
知っているものは語らず、知らないものは質問せず、
質問をされても答えない、というたしなみだ。
こうして一般のドイツ市民は無知に安住し、その上に殻をかぶせた。」

「苦しみのより少ないものが反乱を起こすという事実が
逆説的に思えるのは、初めのうちだけだ。ラーゲルの外でも、
下層労働者が戦うのはめったになかったことだ。
「ぼろきれたち」は反乱を起こさないのだ。」

その他まだまだあるけど。
愚かな首相は三選確実なわけだが、
それでも対抗馬を立てさせたくなくて、
潰しまくって、不戦勝にこだわるのは、
公開討論会をやりたくないからなんだろう。
中身もないし原稿なしで喋れないから。
石破さんは十分に軍事オタクだけど、
普通に日本語喋るからね。
身辺が意外にクリーンで?
必死の官邸公安の努力にもかかわらず…