松井なつ代のやま

ステンシルのイラストや本の紹介、麹の話、そのたいろいろ。

中小企業、学芸員

日本中で今夥しい中小企業が、
後継者不足により廃業に追い込まれているが、
中には黒字でやってきた会社もかなりあるらしい。
多分これは、前に森山さんが言っていた、
銀行の話に関係があると思う。
銀行は何があっても自分が被らなくてもいいように、
経営者が変わる時、実子でない場合は、
融資の条件にものすごい債務保証を求める。
会社を継ぐと、自分ばかりか、
一族郎党が全財産を失う可能性がある。
たぶんこのシステムがこの事態を生み出している。
日本では労働者のほとんどが、
中小企業の労働者とあと非正規だから、
どう考えても国内はこの先上手くいかないだろう。
いつの間にかこういう、
ごく一部の大企業だけが優遇される構造が、
あちこちに張り巡らされてしまった。

日本は世界で類を見ないほど、長く続いた会社が多く、
100年以上の会社の数もダントツトップだったはず。
(どの程度の調査の結果か忘れたが)以前新聞で読んだ。
悲しいことや。
それにしても長きにわたって国民に愛され支持されてきたものを、
ひょいとひねり潰す銀行さまは大した偉いやつである。
ま、そんなのばっかりである。
そして、どんなに素晴らしい技術や知識、経験を持っていても、
会社が無くなれば、非正規になるしかないパターン。

昨日の長崎の学芸員の話も、
良い仕事をしていたんだなぁと感慨深い。
最近大臣などが名指しで学芸員や司書を貶める発言をしているが、
美術館博物館図書館は、学問の文化の知の分野を、
一般国民に紹介し、引き渡す最前線の仕事である。
ここを大事にしなければ裾野は広がらず、
文化の衰退に直結する。
悲しいことである。