松井なつ代のやま

ステンシルのイラストや本の紹介、麹の話、そのたいろいろ。

寂しいねぇ

三菱ケミカルの会長の大学批判に、
呆れてものが言えない。
金にならないものは価値がないという考えは、
ここまで来たかと。

小林 国立大学は「時代に対する感性」があまりになさすぎる。たとえば生態学とか生物学、文化人類学とかゴリラとか。

よほど山極先生が煙たいのだろう、
最後に単独でゴリラを言添えているところは、
笑えるが。
先日も丸山先生のツイで、
先生の授業の最中にさえ、
虫がキモいと吐き捨てる学生が多いと、
怒っておられた。
虫が大嫌いと公言してはばからない人を、
身近にも何人か知っているが、
虫という大きな括りで、否定するということが、
なぜ成立するか私には理解しがたい。
昔子どもの友達のお母さんが、私は動物が嫌いだ、
と言ってあっけに取られたこともあったが。
あんたは一体誰なの?である。

これらはネトウヨと同じ種類の人である。
中国や韓国との長い交流の歴史や、
文化の有り様を、知らず、知ろうともせず、
口汚く否定する一点張り。
昆虫の面白い生態や進化の妙を知ろうともしないで、
種全体を嫌いと言ってはばからない。
お金になるかならないかだけを基準に、
すべての学問を馬鹿にする。
彼らは美術や芸能や音楽なども攻撃する。
橋下の文楽攻撃なども同じ。
ここまで行くと私はその貧しさが、
可哀想に思える。
可哀想と言うのは失礼かとも思ったが、
やはりそう言うしかないかな。
どういう育ち方をしたら、
こんなに見解の狭い人間になるのか謎である。
世界はこんなに多様で美しい面白いものでいっぱいなのに。
知り尽くせないほどなのに、もったいない。

この人が否定している分野、ずばり私の大好物。
今、考古学と歴史学の本を読んでいるが、
本当に面白い。
残念な人たちが、日本の今まで積み上げてきた、
文化を破壊している。
生物の多様性と同様に二度と蘇らないものなのに。