松井なつ代のやま

ステンシルのイラストや本の紹介、麹の話、そのたいろいろ。

TPP、種子法廃止、

昨日来たTPP新聞に、種子法廃止に反対し、
原告団に参加した農家の人の文章が出ていました。
これは私にとっては感動でした。

私は種専門の農家があることすら知らなかったのだが、
この人は「種子法」によって、
山形県の採種農家に指定されて以来、
親の代から64年間、水稲の種子を作ってきた。
一般的にお米農家は、苗を買って田植えをする。
その苗を作るために種を採るわけである。
種子農家は、何より確実に収穫することを求められる。
台風が来ようと、日照りになろうと、
予定の量ができませんでしたという事になると、
食料不足を引き起こす。
その責任を背負って、何より確実な栽培技術が求められる。
牛を同時に飼っていて、牛の糞を堆肥に、
循環型の農業をしている。
多品種を植え様々な気象条件で全滅しない方法をとる。
これは要するに単一品種で労力をかけず、
多収を目標にする、金儲けの農業の正反対の形態である。
こういう人たちの苦労があって、それをサポートするための、
種子法があって、日本の米は守られていたのである。

この人、菊地富夫さの文末の言葉は、
本当に重いものです。
「主食の種子をグローバル企業に開放するなど、主権国家の取るべき選択ではありません。種子法廃止は、国が国民の主食を確保する責任を放棄した点において人権に関わる問題だと考えています。」
私も全く同感だし、
長年種子を守ってきた、そのために大変な苦労をしてきた人が、
こう言っておられる。
全ての国民はよく考えるべきである。