松井なつ代のやま

ステンシルのイラストや本の紹介、麹の話、そのたいろいろ。

種の話3

民間品種と呼ばれる種は値段が高く、
ものによっては、公共品種の10倍と言います。
値段が10倍でも10倍の収穫があるとは思えませんから、
これは普通に考えて一般の農家では買えないでしょう。
民間品種を作っている会社は、どれも化学会社です。
彼らは種と肥料と農薬、この三点セットで売ろうとしている。
そしていずれも大規模な農業に的を絞って開発している。
品種によっては丈が高く、
現在の農機具では対応できないらしい。

私にはこれは全体として、日本の農業の形を、
すっかり変えようとしているように見えます。
ほぼほとんどが個人の家族経営の日本の農家は、
続けていけなくなり、土地を買い叩かれて売ることに、
それらをつなぎ合わせた大きな土地、
(アメリカやオーストラリアなどには及ばないにしても)
に企業が経営する田んぼができるというわけではないか。
これは築地の市場の問題とそっくりです。
豊洲は築地の形態を維持するようには作られていない。
仲卸など潰してしまうつもりで、
魚を獲るところから流通まで、水産物の流れ全てを、
大企業が(含む外資)独占的に関わろうというように見える。
農業と漁業で同様な、ネオリベ的な政策が、
強引に推し進められているように思う。