「春の城」の前の方
「春の城」はまだ本編にたどり着かなくて、
事前の取材の数々なのだが、
これはね、
自分で買って持ってないといかん本かなぁと思う。
島原、天草の乱を書くにあたっての、
石牟礼さんの意気込みはすごい。
あらゆる資料を読み、行ける限り、
現場に行き様々な人に会って話を聞く。
やはりこうしてその場所を見ることは大事や。
彼女はとりわけ敏感で想像力が豊かなたちだから、
何を見ても聞いても、
子どもたちはああしただろうか、
おかみさんは老人はどう思っただろうか、
と自由自在に心はあちこちに飛んで、
その伸びやかなこと自由なことは、
読んでいて愉快である。
漁師さんの海や魚に関する言葉に、
私も色々驚くこともある。
最近生物関係の本を読んでいるので、
いちいち心に留まる。
26聖人記念館のディエゴ神父様にも、
ちゃんと長崎に行って会っておられる。
その後日本に帰化され結城神父様になった方だが、
この人も偉い人やった。
家業の傍で地元の歴史を細かく研究し書き残している、
郷土史家と言われる人たちも、
次々登場するがこの人たちがまた凄い。
みんな偉いもんである。