松井なつ代のやま

ステンシルのイラストや本の紹介、麹の話、そのたいろいろ。

動物の賢さ、続き

動物には現在の感覚しかない、
みたいなことを言う人もいるが、
そんなわけないじゃんと、著者は言う。
ほんとそう、私もそう思う。
だって現在は一瞬で、
過去から未来に続く道筋のほんの一部なんだから。

例えば野生の環境にいるチンパンジーは、
ジャングルの中をブラブラあてずっぽうに歩いて、
たまたま見つけた木の実なんかを食べていると思う?
そんなに世の中甘いもんじゃないよね。
そこらじゅうに美味しいものがある豊かな森ばかりではない。
彼らはかつて食べた、あるいは前に見つけた、
そのイチジクの木を目指して食べに行く。
イチジクは美味しくて人気の果物だから、
他の動物が食べちゃう前に行く必要があるので、
行く日は早めにベットから出て出発する。
その木が遠ければうんと早く、
割に近ければ、ちょっと早くと言うように、
距離とかかる時間をちゃんと考慮に入れて、
ほぼ同じ時間に到着するように予定を立てるらしい。
乗り換え案内も、時計も、地図もないのに!
ジャングルの樹の上に住んでいる彼らには、
超立体的な地図感覚があるんだろう。
そしてその記憶力。
角の銀行が引越ししただけで、
道に迷う私とは出来が違う。

生物分野の研究者は、
女性が意外に多い印象がある。
こういうフィールドでの研究は、
体力気力がたくさん必要だろう。
厳しい気象条件や肉体的ハンディーを、
物ともせずに頑張っている人たちがいる。
かっこいい、頑張ってほしい。