松井なつ代のやま

ステンシルのイラストや本の紹介、麹の話、そのたいろいろ。

反省中

人にものを伝えるのは本当に難しい。
私は失敗ばかりを繰り返して、
全然上達しない。
両者の危機感に開きがあればあるほど、
こちらは焦り、あちらは攻められているように感じ、
いよいよ警戒する。
空回りした挙句に、相手を傷つけ、
ついでに自分も自信を失う。
ほんと、ダメだなぁ…ただいま反省中。

とにかく慌てるのが一番いけないのだが、
実際には大抵時間がない。
時間がないから慌てている訳だ。
こういう事はTPPだの気候変動だのの話も、
それなんだけど、焦れば焦るほど、
誰にも聞いてもらえなくなり、
自分もがっかりして諦めてしまう。
本を一冊読んでもらえれば共通の土台ができるのだが、
それがまず難しい。
私の人間ができていないせいも実に大きいんだけど…

無銭経済宣言のマークボイルは、
その点ユーモアでかなりうまくやっている。
反感をかいにくいキャラクターというか、
きっと会って話しても愉快な人なんだろうと思う。
賢くてたくましくエネルギッシュないい人。
そういう必要な特性を併せ持った、
一種の選ばれし人だと思う。
この本を訳している吉田美奈子さんは、
外語大でいろんな言葉を勉強した人だけど、
今は農業をやっていて、半農半翻訳の暮らしをしている。
ユーモラスな部分も含めて、
全体の雰囲気がまとまっていて良い翻訳だと思う。
(一箇所どうしても意味がわからないところがあるんだけど。
誤植の可能性もあるが私の理解力不足かもしれない)

前半の経済の問題のまとめと、
後半の無銭の実践編だけど、両方とも実に面白い。
経済の話も的確でわかりやすい。
実践編ではすぐにもできることも多いし、
私はもうやっていることもあって、愉快。
この本も大プッシュだけど、
やはりそれなりに難しい分野ではある。
何しろ骨の髄までお金の物語が染み付いているから、
価値観を変える必要を感じていない人も多いだろう。
みんな実際には様々な問題に直面していても、
根本原因はそこだとは思っていない。
どうも、だいたいの原因はそこのような感じである。
なるほどそうかも、
というところまで行くまでがハードルが高い。
何を言っても極端な変人、
イかれてると思われる恐れも。