松井なつ代のやま

ステンシルのイラストや本の紹介、麹の話、そのたいろいろ。

羽織計画

いよいよ私の管理下にある着物を虫干ししている。
全部出して箪笥自体を乾かして。
今日つらつら見るに、黒い羽織が実に多い。
昔はめでたいに付け悲しいにつけ、
黒い羽織は活躍したのである。
しかも喪の羽織は裏も表も色を使わないから、
一人二枚は持っていることになる。
私も子どもの入学式や卒業式に、
色無地の紋付に黒い羽織(誰かの)で行ったことがある。
黒い羽織はどれも似ているので、
誰からもらったものかの区別もつかない…
羽織というものをそもそも近頃は着ない。
(私は時々着るけど)
モンペ生活になったら、ジャンパーを引っ掛ける感じで、
羽織を羽織るかなぁと思っている。
今日は誰も着ていないと見えて紐も付いていない羽織に、
紐をつけてやった。
紐は紐で未使用のまま箪笥に二本入っていたから。
黒はどうするか。
そこで思い出した。
宮本常一の本に何処かの地方で、
普段着に黒紋付を着たおじいさんに会った話が出てくる。
これは確か写真に残っていたはずである。
いくら上等の正装でも、
古くなれば普段着にしても良いではないか。
合理的だし。
着古した浴衣をお襁褓にしたように、
着物の正しい人生ではないか。
うちにある黒羽織はどれもきれいなもんであるが、
死蔵して最後は捨てられるより、
うさぎの散歩で着てもらう方が嬉しいかもしれん。
というわけで私の羽織計画も着々である。

f:id:natsuyono:20171103190055j:image

これは今日紐をつけた羽織。
最近ベレーをいつもかぶっている異常なワシである。
黒のベレーは自分で救世軍で買ったのもあるが、
その他に二個出てきた!