松井なつ代のやま

ステンシルのイラストや本の紹介、麹の話、そのたいろいろ。

「これがすべてを変える」8

2011年のイギリスの王立協会の会議の報告では、
私は気が変になりそうであった。
イギリスの豪華な領主の館を保存した、
王立協会の持ち物であるその館に、
世界の著名な学者が集まっている。
費用はほとんどビルゲイツが持っていると。
(会議に出席はしていないが)
ここで行われたのは地球工学が、
温暖化にどう対処するかという会議である。

ざっくり言うとピナツボ火山の噴火を真似して、
成層圏に大量の二酸化硫黄を撒き散らし、
太陽の光を遮断しようというアイデアが真剣に討議される。
これには恐ろしい副産物や後遺症や未知のことが、
山盛りあるわけだが、
やる気満々で早く大規模実験にかかりたい人がいっぱいいる!
まず、私たちの空が永遠に空色で無くなる可能性がある…
大規模な干ばつが起こるのはほぼ確実。
これを一度やると終わりの無い永久の地球管理が始まる。

王立協会はそもそもあのベーコンの思想を根っこに持つ、
世界で最も伝統ある学術団体である。
人間の問題は人間が、最先端の科学が解決する!
という、言わば科学技術信仰の大本山である。
こういう考え方は日本でも非常に根強い。
年代に関係なく、例えばうちのばあさんや息子も、
これ系である。
技術の進歩が大好きである。
過去を賞賛することを嫌う。
過去だから良いわけじゃなくて、良いから良いだけなのに。

農業を例にとってみると、
過去にやってきた在来農法に切り替えるだけで、
CO2は格段に減り収量は減らない。
これは既に確立した方法であり、
リスクが無いとわかっている。
それでも過去のやり方に戻ることを、
決して許さない勢力がある。
巨大なアグリビジネスはそれを許さないし、
それしか無いと思わされているたくさんの人々がいる。