松井なつ代のやま

ステンシルのイラストや本の紹介、麹の話、そのたいろいろ。

また自由について

「自由」という言葉は、
自由民主党とか新自由主義とか、
あまりにいい加減に使われることが多すぎて、
本来の意味を忘れてられてしまっている。
この歳になって自由ということをよく考えるようになった。
少なくとも私は絶対に自由が必要だと自覚するし、
自由な人を見ると、非常に気持ちがいい。
しかし、近年の子どもや若者は、
どうもさほど自由を求めていないように思えるのである。

最近うさぎはやけに大人になって、
運動量も行動様式も、
子ども時代は終わったんだと思わせる変化を見せている。
ただし、強く自己主張するようになった。
これは、うさぎの自由をかなり認める、
うちの飼い方に由来すると思う。
私は自由と主張は強く関係していると思う。

大昔生協の行事で牛を飼っている農家を訪れたことがある。
そこでは牛を1頭づつ首枷のようなものに入れず、
牛舎内を自由に歩かせていた。
農家のおじさんが言うには、
「自由にさせると牛はどんどんわがままになる」と。
わがままは自己主張ということだ。
管理する側にとってはわがままは嬉しくないかもしれないが、
生き物にとって、従順で主張がないことは、
どこか不自然で弱いことではないか。
自ら隷属することを望むような、
自分の欲することが分からないという心理は、
あまりにも自由のない規則に縛られた教育の結果ではないか。

昨日の映画のオットーとハンナにしても、
登山家の山野井さんにしても、
千代鶴是秀にしても、
自由に生きる人は、誰恥じることない、
尊いものを感じさせるし、
結果がどうであれ清々しい印象を与える。
少なくとも私はそう感じるし、
自分もそうありたいと強く思う。