松井なつ代のやま

ステンシルのイラストや本の紹介、麹の話、そのたいろいろ。

世界から袴田さんのこと

このところ世界には、
青柳雄介氏による袴田さんの記事の連載が続いている。
私はこれは本当に読むのが辛い。
今回は袴田さん自身の日記の紹介だけしてみようかと思う。

監獄の庭にある紫陽花が枯れそうであったがこの雨で正気がでるであろう。明日が楽しみだ。私が存在し真理を叫び今日まで生きてこられたのは、誰かの愛があったからだ。そして今現に生きているのも誰かの愛があるからである。もし、人生から愛を根こそぎ取り去ったら、生きるに値する何ものも残らぬ。
(1982年6月14日、獄中日記より)

私は時に思うのだが、監獄の狭い運動場では十分に走れないので、せめて百メートルくらいの距離でよいからめいっぱい走りたいと。
私が自由を勝ち取ったならば最初に叶えるのがこの果てない夢であるに違いない。肩と股で風を切って走る。想像しただけで全身がうずくのである。
(1984年6月18日、獄中日記より)