松井なつ代のやま

ステンシルのイラストや本の紹介、麹の話、そのたいろいろ。

民芸館

今日は近場の民芸館へ行って来た。
赤絵を中心とした焼き物の展覧会。
今姉が来ていて、
あちこちの展覧会のはしごをしているのである。
民芸館はいつ来ても楽しい。
柳宗悦バーナード・リーチの書簡集が出ていた。
その本は買わなかったが、その出版の記念号の民芸を買った。
私はバーナードリーチはかなり好きである。
今日も少し展示されていた。
柳とリーチは、残っているものだけで、
151通の手紙をやりとりしている。
全て英文のやりとりである。
二人は互いに影響を受け理解しあい、
尊敬の念を持ち、強い友情で繋がっている。

少し前から感じていたことだが、
現在の日本人は、母語である日本語も、
ほとんど分かっていないのではないか。
外国に観光旅行に行った時、普通の人は
お土産を買うとか電車の切符を買うとかに、
必要な言葉くらいはできても、
現地の人と、
人生いかに生くべきかというような話まではできない。
現在の日本では、母語で日本人同士であっても、
そんな感じになってしまっているように感じる。
本当に言葉の理解が浅く語彙も不十分であると思う。
だから思索することができない。
考えや理解が全く深まっていかない。
本当にこれは致命的なことではないか。

人間が長い年月をかけて獲得した、
言語体系によって、文化を深め人間性を高めて来たのに、
ここに来て逆走が始まっている。
言葉を失うと同時に、
全てが失われようとしているように感じる。
恐ろしいです。