松井なつ代のやま

ステンシルのイラストや本の紹介、麹の話、そのたいろいろ。

京都からの帰り道

京都からの帰り、東京が近づいてくると、
やはり東京は桁違いに大きいなぁと感じる。
大きなビルや高速道路、その明るい照明が、
いかにも都市の活気を表しているように見えるが、
あそこにいる一人一人は、
結構切羽詰まって身も心もギリギリなんだよなぁ、
というようなことをかんがえていた。

その後地下鉄に乗り換えた。
新宿駅に着いた時、私は恐るべきものを見た。
若い女性がおばあさんを蹴ったのを。
電車は入り口付近は混んでいて、
中の方はやや空いている感じで、
満員でもがらがらでもなかった。
この光景を見たのは多分私だけだろうと思う。
なぜなら私はその人をずっと目で追っていたから。
とても綺麗な青いカーディガンを着ていたから。
その女性は最初は私の斜め前に立っていた。
後ろから見ていていいなぁ、
前の襟元はどういうデザインなんだろう、と思って、
その人が降りようとする時じっと注目していたのである。
一方小柄なおばあさんは私と反対側の方から、
出口に向かってきた。
この人は脚が悪かった。
素早く移動できないので、後ろから押されて、
青い彼女の前に割り込むような格好になった。
その時素早く一撃を受けたのである。
決して見間違えではない、彼女は歩く動きとは別に、
蹴るために右足を動かした。
おばあさんは前後に人がいるので転ぶこともなく、
降りて行ったが、多分かなり痛かったと思う。
私はあまりのことに呆然としてしまった。
青い女性は私の前にいた時は、
ずっとアイフォンを見ていた。
ズボンもお尻のポケットに張りのある大きめのフラップが付いた、
ちょっとかっこいい高そうなものであった。
多分青いカーディガンも高級品だろう。

私は女性が公共の場でこういう暴力を振るう現場は、
今までほとんど見たことがない。
それも障害者である老人に対してであり、
何か悪いことを故意にやったわけではない。
これはどういうことなのか。
京都のこともカルタのこともすっかり色あせて、
私は猛烈に暗い混乱の極みに突き落とされた。
以前ネットで見た難民を蹴る、
外人のテレビクルーの女性の動画を思い出した。
今もよくわからないが、あれはやはり怒りなのか。
電車を降りるのが1秒遅れることについての。
または老人や障害者が大嫌いなのか。
今も思い出しては愕然としてしまう…

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