「誓います」読了
ダンの新作を読み終えた。
これもまた前回作にも増して素晴らしかった。
前回が里子をもらうまでの話で、
これはその子が5歳から6歳になった頃、
二人のパパが出会ってから10年を経て、
カナダで正式に結婚し、法的な夫婦になる話である。
ゲイというのは性癖であって、
思想とは元々なんの関係もない。
ただ性的なマイノリティーであるので、
人権や平等に関して真剣に考えざるをえない。
その過程でストレートのリベラルと似通った思想の持ち主となる。
しかしそれ以外の分野では、当然、
保守的な古臭い考えを持ったゲイだっているわけであり、
まぁ、ダンはどちらかというとそれである。
マジョリティーが何も考えずに、
フラフラと生きていける時も、
マイノリティーはいちいち真剣に考えざるをえない。
それがマイノリティーであるということである。
この本は皮肉や冗談が溢れかえっているが、
どれもドンピシャリのとこを外していないので、
呆れるほど気が利いていて面白い。
私は何度もニヤッとし、何度も声を出して笑った。
また結婚、子育て、家族というものについての、
深い考察は普遍性に溢れており、時に哲学的である。
私は全くゲイについての偏見もないし、
里子についてもそうであるのはなぜだろうか。
同性が好きということだってあるだろうと思うし、
少なくとも子どもというのは、
血が繋がっているかどうかは全く関係ないと思う。
長年犬を飼っていたから分かる。
今まで四匹の犬と暮らしてきて、
どれも可愛かったが、一匹として私の腹を痛めた子ではない。
知らない人もいると思うから教えてあげるが、
自分のうちの犬のウンチを取るのと、
知らない犬のウンチを取るのじゃ、
全然気分は違う。
知らない犬のウンチはちょっと嫌なんだよ。笑
多分一緒に暮らすことで子どもになるのである。
ま、また続きを書くかもしれない。