2017-03-21 「無常の使い」 本 やはり涙は止められなかった。水俣病を患いながら、闘い、闘うことで前から後ろから、矢を受けなければならなかった人たちの死は、本当に壮絶で、厳しいものであった。彼らは本当に強くて優しい。あの境地と言うのは、血の滲むような日々の果てに来るのであろう。こういう人たちを見ると、人間というにはたいしたものだと思う。 そういう彼らを近くで見続けた石牟礼さんも、強い人である。栄子さんの三回忌に書いた彼女の詩の美しさ。水俣の方言の格調高さ。これは、読んでよかった。