松井なつ代のやま

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民主主義の人気

「世界」にもう一つ民主主義に関する、
世界的な統計調査の記事がある。
「民主主義の脱定着へ向けた危険」
タイトルがなんかちょっと変な気もするが、
メルボルン大学ハーバード大学の先生の、
共著の、浜田江理子氏の翻訳である。

アンケートの分析だが、
アメリカとヨーロッパで同様の質問をする。
アジアのものはないが、
これが日本とも完全にシンクロしている。
言えることは民主主義に対する支持の低下、
権威主義、軍政に対する支持の上昇である。
過去30年のアメリカの数字で、
非民主的の代表と言える「軍政」が、良い、とても良い、
とする人は増え続けている
現在では六人に一人。
特に富裕層で急速に増加している。
この傾向は富裕な若者の層で特に強い。
1995年の調査、軍による統治が良いと答えたのは、
6パーセント、それが現在では35パーセントである。
ヨーロッパでは6パーセントから17パーセント。
これは民主主義を憎んでいるかの様な現政権を、
支持する若者が、東大に多いという、
日本の状況とも重なっているように思う。
いま手元にある富を1円たりとも他の人のためには使いたくない、
と考える人々が、
民主主義を嫌っているんではなかろうか。

ヨーロッパではやや緩やかな変化ではあるが、
世界的な傾向である。
全世界的に民主主義は支持を失いつつあって、
ここまでくると、
始めるのは大変だなぁ…と弱気になる。