松井なつ代のやま

ステンシルのイラストや本の紹介、麹の話、そのたいろいろ。

「世界」から、貧困の話

駅前の大入道のおっちゃんが、
手術することになったと、店を閉めて以来、
もう1年近いんじゃないか。
戻ってきてくれない…
近隣ではあそこしか「世界」が置いてなかったから、
今日は街まで世界を買いに行った。
そしたらもう次のが出ていて、二冊買うことに…

まずは子どもの貧困の特集。
貧困の現場の話が凄まじく、まさに安達ヶ原である。
子どもの貧困はその親の貧困であり、
老人世代の貧困もかなり深刻である。
生活保護に関して言えば、
最も多いのが老人の世帯である。
しかしこの生活保護からして、受ける資格があって、
生活は十分苦しいのに8割近くが受けていない。
とりもなおさず生活保護バッシングの「成果」である。
不正時給は0.4パーセントほどで、
そのほとんどが親に内緒で、
子どもがアルバイトをしたケースだと読んだ事がある。
これが不正と呼ばれ、叩きまくられる現状は、
わたしから見ればどうかしていると思うが、
これらの状況から、相談窓口で、
生活保護だけは受けたくないと激昂する人もいる。
小田原市役所の話もあるように、
そんなにまで叩かれ馬鹿にされるくらいなら、
いらないという気持ちの方がわかるほどだ。

持病や知的障害や、精神障害といった、
困難を抱えながら、どのような公的福祉にも頼れずに、
ただ赤貧に甘んじて非常に孤独な中で生きている人たちが、
この日本にはいっぱいいる。
中世の闇よりも、
よほど暗いのではないかと思う。
寒い夜に読むに、全然うってつけではない。