「土と内臓」4
私は生協の委員をしていた時に、
いろんな生産者の人たちと話をしたことがありますが、
どうしても有機栽培の野菜の方が美味しいのかと、
聞きますと、なんでかわからんが美味しいのです、と、
実に呆れるほどわからなかった経験があります。
美味しいと感じるのは何と関係があるのかと、
考えていたのですが、
今回の本にそう書いて合ったわけではないが、
これではないかと思ったことがあります。
植物も動物もタンパク質や炭水化物も必要ですが、
微量栄養素、いわゆるミネラルと言うものが、
少しだけど必要です。
これは岩石由来のもので、微生物たちが分解して、
我々が取り込める形にしてくれるのです。
これらの微量栄養素が現代人は徹底的に不足している。
それはカロリー不足より実は深刻であると。
「銅はヘモグロビンの機能と骨形成に欠かせない。
マグネシウムを除いた餌でマウスは腸内微生物相が、
激変し様々な炎症が起きるとわかっている。
鉄不足は貧血の他に学習や仕事の能力低下を招く。
成長、組織の修復に欠かせない。」これはほんの一例。
ところが化学肥料を使った現在の農業で生産される、
農作物の栄養価を調べると、
ミネラルの含有量が極端に減ってきている。
恐ろしいことに、半分から三分の一、
最大97パーセントの減少というものもある。
ミネラルが豊富な美味しい水という話があるし、
私が大事に使っている能登の浜塩。
これはすごく美味しいがミネラル分が多い。
そもそも海水はミネラルの宝庫である。
ミネラルにはそれぞれ特有の味があるのである。
苦味、甘み、酸味など。
この微量のミネラルの含有量が、
野菜の美味しさに関係しているのではないか。
私は常々、「美味しいものが正しい」と感じていたが、
その事を確信した。