松井なつ代のやま

ステンシルのイラストや本の紹介、麹の話、そのたいろいろ。

大豆のこと

農家の人たちが苦労しながら、先祖の土地を守って、

仕事を続けてきたことに対して、
世間では頑迷で保守的なという印象があるかもしれないが
私はどうしても共感してしまう。
時代遅れであろうと、効率的でなかろうと、
止めるのは難しい仕事に違いないと思う。
米であれ野菜であれ、生き物に関わる仕事である。
例えば大豆は、
木が枯れすっかり汚く茶色に変色した鞘から、
真っ白の本当に美しい種、豆がこぼれ出る。
種というものにはどれにも完璧な美しさがある。
大豆の一生は終わったが、その豆を手にした人間は、
それを植えざるを得ない。
この種を植えてくれろ、
と強く願っている者の気配を感じるからである。
人間もまたそういう風に脈々と、
命をつないできた生き物であるのだから。
そういう連続する繰り返しを、
続けていこうという感覚を、
普通の人間なら誰もが持っているのではないか。
 
しかし最近はそうでもないように感じる事が多い。