松井なつ代のやま

ステンシルのイラストや本の紹介、麹の話、そのたいろいろ。

「よ」絵札

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「よたかは よもぎの ゆめをみる」です。

ヨタカといえば、宮沢賢治の「よだかの星」です。
醜い鳥という設定ですが、
羽の模様が気持ち悪いかといえば、
これは単なる擬態で木にそっくりです。
枝に平行に止まるのも擬態の努力です。
夜行性などで、みんなの起きている明るい間に、
ねなきゃならんので、どうしても力が入ってしまうのでしょう。
羽が気持ち悪いのは、
爬虫類の鱗のようなアリスイの方がすごいです。
よたかが凄いのは何と言っても口を開けた時の顔です。
口を開けて飛びながら、飛んでる虫を食べる。
閉じていると分からないが目のすぐそこまで、
切れています。
その顔は確かに結構怖いです。

擬態しているものを描くのは難しい。
鳥の羽は、ここまで胸の毛、ここから翼の上の並びとか、
構造が大体決まっていますから、
色分けも機能の区切り目で変わるというのが多い。
しかし擬態の努力はそういうものを飛び越えてしまう。
それに個体差が大きい。
だから何が何だかわからなくなっちゃう。

なるべく手を入れない書き方の今回は、
ものすごく難しかった。
全体にちょっと変わった雰囲気にしようとは思っていたが、
どうもそれもうまくできなかった。
寝てるんだけど、昼だし、
ものすごく明るいのもどうかと思って…
よもぎも実在するわけでなく夢だしね。