松井なつ代のやま

ステンシルのイラストや本の紹介、麹の話、そのたいろいろ。

「世界11月号」から、ドイツ

「難民問題で暗転するメルケル政権」
ドイツ在住のジャーナリスト梶村太一郎氏の記事。

1年前、メルケルは100万人を超える難民の受け入れを決断した。
その後バイエルンで二件のテロがあり、
世論は難民拒否のほうに転がり始める。
バイエルンという場所の歴史的位置付けを知るにつけ、
私にはこのテロはヤラセのように見える。
フランスのテロと同じ感じ。
そして1年後の選挙で、右派がじわりと伸びてきている。

難民の現状としては、
バルカン諸国の国境警備が厳しくなったことで、
現在ドイツに向かう難民は激減した。
中東難民は現在エジプトに向かい、
中央アフリカの難民はリビアに集まっているという。
今年に入ってからドイツに亡命申請があったのは、
56万5000人。
就学前の幼児が13.6%その上の未成年が21%と若い人たちが多い。
「ドイツでは国籍、滞在資格のステータスを問わず、
居住している未成年の保護と教育に関して、
徹底的にドイツ人と平等に行われる。」
子どもたちはドイツ語を習ったのち普通クラスにはいる。
教員は2万人増員したがまだ足りていない。
若い青年世代はドイツ語学習を経て自営業から大企業までの職場で、
職業訓練を受けた上正式に自立する。
いずれも長い時間と大きなコストがかかる。
来年度予算に難民対策費として、
三年間に2兆2150億円を計上している。
(第二次安倍内閣2012年12月から今年の9月の、
3年9ヶ月でソーリが外遊で表明した、
いわゆるバラマキは確定分だけで33兆円というから、
アベソーリならこんくらいちょろいかもだよ!)

著者は、ドイツにとって東西の統合以来の大きな課題ではあるが、
悲観していないといっている。
学術調査によれば、
昨年からなんらかの形で難民支援に参加した住民は、
国民の10パーセント。
すなはち800万人の人達が難民受け入れのために行動したのである。