松井なつ代のやま

ステンシルのイラストや本の紹介、麹の話、そのたいろいろ。

「世界」から、枯葉剤の話2

私は今までTPPGM種子の問題について書く中で、
あの枯葉剤を作ったモンサントと何度か書いたと思う。
これは間違いではないが、
ベトナムの大地に雨あられと撒き散らかされた枯葉剤の一部は、
日本で日本人によって作られていたと知って、
呆然としてしまった。
この話は幾重にも酷い話なんだけど、
ショックの一つはそれであった。

著者が日本の枯葉剤問題に行き着いたのは、
ニホンカワウソの絶滅に関する取材だった…
その過程で「日本の枯葉剤」という著書のある、
原田和明氏に出会う。
原田さんは化学会社の勤務経験がある。
チッソ水俣病被害について知りたいと思ったのが、
化学畑に進んだ動機であるという。
彼から戦争と金儲けのカラクリ、
日本がグローバルな枯葉剤供給システムに、
組み込まれていたことなどを教えられる。

1969年に、当時の社会党議員楢崎弥之助が、
国内に需要がないはずの枯葉剤大牟田で作られているのは、
ベトナムで使われているのではないかと、
国会で質問した。
この時国は、あろうことか、
国内消費する事で、輸出の嫌疑をかわそうとした。
なんと除草目的で国内の国有林に撒かれたのである。
武器輸出のそれも化学兵器の事実を認めるよりは、
自国の山野に撒く方を選んだ…

続く