松井なつ代のやま

ステンシルのイラストや本の紹介、麹の話、そのたいろいろ。

「数学する身体」2

この本は本当に面白いところがいっぱいあるが、
まずは人工知能の話。
(これうまくかけるか自信ないんだけど)

ある最適化の問題をコンピュータに与える。
ランダムな解の候補を与え、
それらを選択し、進化させるということを繰り返し、
コンピュータが答えを出すのである。
およそ4000世代の進化の後無事解は得られたが、
奇妙な点は、100ある理論ブロックのうち、
コンピュータは37個しか使っていなかった。
これは人間がやる場合最低必要とされる数を下回っているそうだ。
もう一つは、
37のうち5つは他の論理ブロックと繋がっていなかった。
孤立していれば役に立っていないはずなのに、
それらのどれを取り除いても、回路は動かない。
実はこの回路は、
普通はノイズとして排除される電磁的な漏出を拾って、
これを利用していたのである。
こういう事がコンピュータでも起こるというのは、
本当に驚きである。

こういう事は自然界の進化の過程では、
いくらも起きるだろうと思う。
うまくいけばなんでもいいのだから。
漏れたノイズは環境に散らばり、
進化の主体との境界が曖昧になりながら、
進化していくのである。

もう一つの例はクロマグロロボットの話。
クロマグロはおいしいだけでなくとてつもなく速いらしい。
最大で時速80キロ!!
(体重じゃないよ、スピードだよ)
このクロマグロの速さの秘密を見つけて、
潜水艦などに利用しようというプロジェクトである。
その過程で出てきた仮説。
マグロは自分の尾ひれで周囲に大小の渦や水圧の勾配を作り出し、
その海水の流れを推進力に利用していると。
こうなると本当に、どこまでがマグロか、
海も含めて本人ではないかという気がしてくるではないか。

うまく説明できたかわからないが、
面白いでしょう?
続く