松井なつ代のやま

ステンシルのイラストや本の紹介、麹の話、そのたいろいろ。

白川さんと石牟礼さん

疲れてくると(白川静)先生のご本を読みます。恥ずかしいのですが、私自身は先生の弟子の弟子のそのまた弟子を自認しているんです。


石牟礼さんと白川さんの対談があって、
割りに短いあっさりしたものだが、
その中で白川さんは、「苦海浄土」に、
最大級の賛辞を述べている。

以前苦海浄土の話でも書いたかもしれんが、
方言には古語や古い言い回しが残っている。
水俣の方言はそれの宝庫であった。
言葉が失われることは、それが表していた、
人の思考や感情が失われることである。
有名な例は日本の色の名前である。
古代色の夥しさ!
微妙な色の違いにそれぞれの名前がついている。
これらが失われるとともに、
我々の色の識別能力は、
12色入り色鉛筆のレベルになってしまった。
我々は底なしに単純な生き物になりつつある。
残念なことである。