松井なつ代のやま

ステンシルのイラストや本の紹介、麹の話、そのたいろいろ。

「世界」9月号より

「世界」を開いてこの人が書いているのを見つけたら、
大抵それから読むことになる。
谷口長世という人、肩書きは国際ジャーナリスト。
ブリュッセル在住である。
面白いというより、恐ろしいというか、
げっそりしてしまうこと請け合いなんだけど。

今回のお題は、
『「死の商人」国際共同体に人工造成された、
南シナ海危機』
オランダはハーグにある、
国連常設仲裁裁判所で行われた、
フィリピンと中国の南シナ海を巡る裁判の裁定の話。
ややカンケーネーな感じするかもだけど、
これは尖閣問題とご兄弟のような話である。
結論としては、
中国にとって一番わるいタイミングを狙って、
中国悪者イメージを演出するための、
中国完敗の裁定であった。

領土問題は紛争の火種に必ずなる。
したがって、これを生じさせれば紛争は起きる。
南シナ海東シナ海も、アメリカによる、
「世界規模の石油埋蔵量の可能性」という調査報告書を餌に、
50年かけて作り出された仕掛けなのだという。
アジアに軍事的緊張を生まれることを、
嬉々として眺める一団、
それがタイトルにある「死の商人国際共同体」である。
もちろん日本人もがっつり参加している。
死の商人にとって、アジアは将来性抜群の市場であると。
実際にアジアの国の兵器の輸入額は近年うなぎのぼり。
米国主導のNATO対ロシアの対立は、
管理された持続的構造に上に成り立っているのに対し、
アジアは始まったばかり、
不安定さは深刻化する可能性が大きそうである。

国連だの世界銀行だの国際裁判所だのというと、
普通はなんか立派なことやってくれそうな、
頼りになる権威とおもいがちだが、
これらこそアメリカの世界支配のツールである。

この裁判のキーパーソンの1人は、ラムズフェルト
もう1人は柳井俊二
この人はアベの私的諮問機関の座長で、
安保法政を無理やり成立に導いた人。
最低にキナ臭い人たちなのである。