松井なつ代のやま

ステンシルのイラストや本の紹介、麹の話、そのたいろいろ。

「江戸庶民風俗絵典」

「江戸庶民風俗絵典」という本をもらった。これに類するものの文庫本サイズのは、2冊持っているが、これが優れているのは、著者の三谷一馬氏の詳細な説明がついているところ。別の冊子になっていて絵をみながら読むことができる。時間があれば眺めているが、…

法然

法然少年は本当に賢かったと見えて、13でお山に入るのですが、先生に私じゃ荷が重い、もっと偉い先生とこ行きなさいと、たらい回しされるほどだったのでした。仏教には中国の偉いお坊さんの書いた本や、それを学んだ日本のお坊さんの書いた本など、沢山の立…

ガザから比叡山

岡真理先生のパレスチナの本を読み始めたが、しんどくて休憩を入れている。割と発言しておられるのでお名前は見かけていたが、著書を読むのは初めてだった。カナファーニーの「太陽の男たち」を読んで、パレスチナ問題に取り組む事になったらしい。私も数年…

再燃気味

室町言葉の記事で、島原半島で印刷されたと書いたが、日葡辞典は長崎で印刷されたらしい。印刷機も迫害のあおりで随分移動している。思い出して「活版印刷人ドラードの生涯」を、出してきて年表を見て確認した。ドラードは日本名がないが、ポルトガルと日本…

文化について

「残響」の中に「今でなければ」の話が出てくるが、その中でドーヴという老パルチザンについて、彼は死なせたくなかったと、プリーモ・レーヴィが言っている。この本は綿密な下調べを経て作り上げた小説で、事実を元に書いているが登場人物は著者の創作であ…

「プリーモ・レーヴィ失われた声の残響」

失われた声の残響をやっと読み終えた。プリーモ・レーヴィの、著作以外の、講演での発言やインタビューなどでの受け答えが、大量に取り上げられている。彼はアウシュビッツでの体験を書こうと決意し、そのことによって生き延びた。彼は著書の中で、なんの痕…

次に回ってきた本

プリーモ・レーヴィを読んでいると、厳しい話でも愉快な話でも不思議な話でも、非常に気持ちよく読める。気持ちいいというのはすっきり明晰であるからで、どんな味のものでも、奥で一本につながっていて、その書き手本人に醜い部分、虚飾がない。あざとい技…

「周期律」3

周期律の21編のどれもがそれぞれに面白い。最初の「アルゴン」は著者のルーツにまつわる、さまざまなユダヤ人、その言葉や文化が色々披露される。化学者として塗料会社で仕事をしていた頃の、実話をもとにしたものもあれば、まったくの創作の、時代も場所も…

周期律2

化学と文学が随分と遠い世界なのだと感じるのは、我々が理系文系という謎の二分法に毒されているからだろう。スケール感が違うとまったく違う見え方になるのは、世の中にはよくある事であるが。原子の動き変化を表す化学式のようなものは、我々の目には見え…

「周期律」

プリーモ・レーヴィの周期律が素晴らしくて、完全にびっくりであった。休戦、これが人間か、今でなければいつ、を読んだ後、イリスという短編集を読んだ。化学者が小説家になると、こう言う発想の物語ができるのかと驚いたが、この周期律もまさにそれである…

世界2月号より

今月の世界もなかなか読み応えがある、と言うか、結構苦しいものである。三宅芳夫氏の「リベラル・デモクラシーの終焉?」を読むと冷戦の終結は、地球上すべての地域が、資本主義体制の前に屈したという事、あれ以来世界は新自由主義グローバリズムの激流に…

「みな、やっとの思いで坂をのぼる」1

みな、やっとの思いで、は良い本であった。水俣病センター想思社の職員である、永野三智氏の著書であるが、私はここの事を知らなかった。知っていれば水俣に行った時に行くべきはここであった。ホームページなども見てみたが、水俣の街を案内するツアーに参…

ブックファーストで、

最近私の読書友達に参入していただいた、吉田さんのお勧めで、「みな、やっとの思いで坂をのぼる」を買ってきた。新宿の紀伊国屋の代わりに、西口の派手なビルの地下にある、ブックファーストを使う事にした。バスで行く時は特に便利な場所だが、地下という…

不如意の身体ちょろっと

立岩真也の本は非常に面白い。言葉自体は難しくないし、扱うテーマが特別なわけでもない。ただ自分は物をこういうふうに考えてこなかったな、というような事を随所で感じるから、思考の経路が不慣れなせいで、全体としては難しい。こういう難しさもあるんだ…

密かに計画中

今年は暖かくなったら、我が図書館でお話会をしようという計画がある。この前の味噌作りで子連れ三人組が集まった時、子守をスカウトしないとできないかなぁと、ちょっと考えた。ちょうど適任と思った友人が帯状疱疹にかかって、無理だったんだけど、その事…

蛸読了

蛸の本やっと読み終えた。しばらくしてもう一度読んでから、改めて紹介したい。肝心の部分がちゃんとわかっていないかもだから。それにしてもやはり違和感があるのは、本のタイトルである。原書の題はOTHER MINDSと言う。蛸とわれわれの共通の先祖は大昔に枝…

蛸の話2

蛸の本は意外に難しくて、まだ途中だが、一回読んだだけではよく理解できない部分がある。でも面白いしいろいろ考えさせられる。本当に不思議な生き物である。蛸は固有の形と色を持たない珍しい生き物なので、個体識別が非常に難しい。著者は彼らの表現者と…

紀伊国屋は止める

私もついに紀伊国屋で本を買うのは止めることにした。いつもヘイト本を山積みしてあるのも嫌だったし、正月早々百田本の熱烈推しには呆れた。社長は寿司友だし、アベ関連本は、紀伊国屋で関係者が2000冊とかの単位で買う。お金の出所は元はと言えば税金で、…

セクハラの話

昨夜は広河さんのスキャンダルのニュースが、飛び込んできて、なんとも言えない気分になった。真実のほどはまだわからないが、これが突然の休刊の原因だろうことは、ま、確実ではないだろうか。彼が編集長を止める時、次の編集長を決めるために、紙面を作る…

蛸の本さわり

「タコの心身問題」はちょっとふざけたタイトルだし、本屋で平積みだったから、割に読みやすい一般書なのかと思ったら、大間違いでした。中身は意外に難しくて、ぼやぼや読んでいたら、理解できない。著者のピーター・ゴドフリー=スミスという人は、哲学者…

ドイツでは

世界のドイツの情報を読んだ。メルケルは引退を宣言しているが、与党の敗北、極右の台頭と巷では聞いていたが、梶村さんのリポートを読むとそれだけではない。極右は意外に頭打ちで、際立って増えているのが緑の党である。キューバ人を父に持つドイツ人の青…

入会地

赤坂さんは福島と水俣を並べて語っているが、その中で初めて知ったことがある。福島の原発のある場所は、元々は入会地で、その後塩田になった場所を東電が買い占めたものであると。水俣の窒素の工場も塩田に立ったものである。 入会地というのは地元のコミュ…

3冊ゲット

蛸の本は意外や店頭に平積みでした!石牟礼さんの特集があったので買う。世界は前のがまだちょっとしか読めてないけど、買っとかなくちゃと。 電車の中で石牟礼さんのを読みだしたが、なかなか複雑な気分になりました。巻頭の渡辺京二の文がはなっから、苦界…

蛸関連

フランス・ドゥ・ヴァールの本でも出てきた、蛸、タコには常々ひとかたならぬ興味があった。書籍広告で目に付いて読みたいなぁと思っていた本が、みすずのDMが来て詳しい紹介があり、完全に買いたい気分になった。「タコの心身問題 頭足類から考える意識の起…

雰囲気の話だけど

孤立させて、手助けが欲しい時は、サービスという名前の商品をお金で買わせる訳だから、個人主義は資本主義と仲間なんだと思う。 無銭経済宣言のマークボイルは、たった一人で、無銭生活をしたから、なかなか忙しかった。ご飯を食べるにも火を起こして、それ…

「不如意の身体」

「不如意の身体」は面白い。中身と一体になっているんだけど、考え方がなるほどと思う事ばかりである。 色々こんがらがった事を考える時、私なんかは頭がついて行ってないから、つい単純化して答えを得ようとする。何か綺麗な解を得てスッキリしたい、という…

「モンテレッジョ小さな村の旅する本屋の物語」

なにしろ本の話なので、私にはもちろん面白かった。本を売り歩く行商の人たちの事だが、最初は暦や聖句のようなものを売り歩いていたわけだから、日本にもほとんど同じような人たちはいた。ただし村ごと世襲でこの職業を担ってきた事、今もその子孫たちが各…

ブラックハウスと曲り家

今また無銭経済宣言を読んでいるのですが、その中にイギリスの古くからある民家、「ブラックハウス」というものが出てきます。石と泥でできた壁と草葺きの屋根の家です。この家では牛や豚や羊も一緒に住んでいたらしいのですが、前読んだ時も思ったけど、南…

デイズ休刊

休刊のお知らせフォトジャーナリズム月刊誌DAYS JAPANは来年2月20日発刊の3月号で休刊となります。11月20日発売の12月号にお知らせ記事を掲載します。15年もの間本当にありがとうございました。定期購読料の払い戻しについては、購読者の方に直接お知らせい…

「スエロは洞窟で暮らすことにした」

訳者よりご恵贈を賜り、「スエロは洞窟で暮らすことにした」を読みました。私はいつもスクリプタを読んでいるので、広告でおもしろうそうだなぁと思っていた。マークボイルの無銭経済宣言にも、ちらりとお名前は出てきたし。大変面白く読みました。 スエロと…