松井なつ代のやま

ステンシルのイラストや本の紹介、麹の話、そのたいろいろ。

動物の賢さ、続き

動物には現在の感覚しかない、みたいなことを言う人もいるが、そんなわけないじゃんと、著者は言う。ほんとそう、私もそう思う。だって現在は一瞬で、過去から未来に続く道筋のほんの一部なんだから。 例えば野生の環境にいるチンパンジーは、ジャングルの中…

「すべての見えない光」2

目の見えない娘を連れて、パパがやっとの思いでたどり着いたのが、サン・マロという場所です。ここはブルターニュ地方、うさぎの出身地でもあります。海を隔てて向こうがイギリス、住民はフランス人というよりは、マロの人間で、ブリトンであると自覚してい…

「動物の賢さがわかるほど人間は賢いか」3

人間凄い!の人たちは、人だけが言葉を持っているという。確かにそうかもしれないが、言葉がなければ考えたりコミュケーションをとったりは、不可能なのか。著者は言語と認知は別物という立場であり、私はこの考えに納得できる。人間凄い!派が発狂する例が…

動物の賢さに戻る

「すべての見えない光」は読み終えたが、まだ考え続けている。知識を持っていることと、本当に知っていることの違いは何だろうか。 「動物の賢さ、」の方に戻ったが、いやはや延々と、人間は唯一無二の特別な存在である、と主張する者達のめちゃくちゃな、反…

「すべての見えない光」

姉が図書館で読んで、買い認定して、買って、私に貸してくれた本である。久々の小説である。第二次大戦の頃のフランスとドイツが舞台。表現としては静かで美しいお話であるが、戦争の恐ろしさを余すところなく表している。また生物学鉱物学工学、科学知識と…

「動物の賢さがわかるほど人間は賢いのか」2

人間が一番偉い、もしくは特別な存在、という物語はキリスト教と深く結びついている。これは学究の世界にも深く染み込んでいる。たまに生物に関する本を読むだけだが、その私でさえ、何度か目にしたのが、アカデミズムの場面で、他の動物に擬人的な表現を使…

「動物の賢さがわかるほど人間は賢いのか」さわり

この本もまた私の待っていた本でした。今、私に面白い本を教えてくれる神様がいる感じ。 進化認知学という新しい分野の本である。これまで人間を頂点とする、直線的な、賢さの段階を我々は信じてきたようだが、実はそれぞれの動物は、自分たちの生き方に即し…

無銭経済宣言」8

実践編に入ると、人間が暮らしていくために必要なあれこれを、様々な分野の無銭アイデァと参考になる意見、本などが紹介されている。以前世界でも記事になっていたし、チャヴでもこの問題が語られていたが、イギリスに関して言えば全土の実に70%が、ごく少数…

赤ちゃんの力

赤ちゃんといえば、「チャヴ」では、シングルマザーがすごく叩かれるわけです。家庭が崩壊していて躾が出来ていない、性道徳が話にならない、みたいな。髪振り乱したシングルマザーが、チャヴの典型として出てきて、テレビなどでも軽蔑の対象になる。これ本…

「無銭経済宣言」7

著者が言うように、社会的受容、承認欲求と言うものは、なかなかに根の深いものである。私の予想だが、ヒトが一人では生きられない、集団に受け入れられて始めて、生きていけるというタイプのサルである事と、関係があるのではないか。実際、自分がクソだと…

「無銭経済宣言」6

カネ無し生活、簡素な生活に移行しよう、というところまで行った人から聞かれる心配事で、最も多いのは、友達、家族、地域の反応に関するものだそうだ。「なんだかんだ言っても結局、お金を持たなければ、貧しいだとか人生に失敗しただとかの、烙印を押され…

「無銭経済宣言」4

我々がとらわれているものに、お金が大事という物語ともう一つ、人間が一番偉いという物語もあります。これらは繋がっている。 我々が時間も体力もすっかりみんな捧げて、お金を貰うにはこうするしかないと、ボロボロになりつつ思い込んでいる状態に対して、…

「無銭経済宣言」3

我々は自分の心に瞬時に浮かぶ感情や感覚みたいなもんは、生得的なもので自然な、ものだから、仕方ないと思いがちである。しかしそういうものも現在自分が採用している、(意識的にせよ無意識にせよ)ある種の物語に、影響されて沸き起こっているのである。 こ…

「無銭経済宣言」2

持続可能性を目指す「無銭生活」は、移行段階として「なるべくカネを使わない生活」を、経ていくことになる。これらは、似ているように見えて、「倹約生活」とは全く別物である。 資本主義経済とは、ものをできるだけ安く作ることに、たゆまず努力するもので…

反省中

人にものを伝えるのは本当に難しい。私は失敗ばかりを繰り返して、全然上達しない。両者の危機感に開きがあればあるほど、こちらは焦り、あちらは攻められているように感じ、いよいよ警戒する。空回りした挙句に、相手を傷つけ、ついでに自分も自信を失う。…

今朝の書評欄

今朝の朝刊はなかなか皮肉である。左ページにチョムスキーの新著、「アメリカンドリームの終わり」があり、その右に、ナイキの創始者自身の著作、「SHOE DOG靴にすべてを。」がある。ナイキはアメリカ資本の多国籍企業としては、典型的なグローバル企業であ…

無銭経済宣言さわり

「無銭経済宣言」はとてつも無く面白い。 私の言うことを聞こうとしない息子達は、一種の清潔教のカルトだとおもう。世界有数の細菌学者免疫学者の声を、(私の発言はこれらの人のうけうりだからね)簡単に無視するというのは、普通なら考えられない。一種の宗…

チャヴ4 終わり

チャヴを読んで、イギリスもやばいなぁ、政府のやることはどこも同じだなぁと思った。それでも読後感が割りに良いのは、イギリスの労働者階級の人たちが、これほど痛めつけられているにもかかわらず、まだ踏ん張っていること。反移民を煽る極右になだれ込む…

きたない子育て

http://presidentstore.jp/books/products/detail.php?product_id=3045昨日ちょっと書いた、「きたない子育て」だが、まだ現物は手元にないが、目次を見る限り、「失われゆく我々のうちなる細菌」が、ベースになっているのは確かだと思う。若い層をターゲッ…

大量発注!!

新宿に出たついでにいつも紀伊国屋で、スクリプタというフリーペーパーをもらう。これを読んでいてまたどうしても欲しい本が出てきた。「動物の賢さがわかるほど人間は賢いか」説明文にある動物の例を見てもすごいが、もうこのタイトルに私は惚れた。買わず…

チャヴ3

チャヴを読んでいると本当に辛くなる。日本が今まさに進んでいる道で、身につまされるとはこのことかと思う。言葉の意味として、多くの国がそうなっていく道筋を、先頭切って進むという意味で、イギリスこそが真の先進国だと思う。さすがにイギリスである。…

「チャヴ」2

イギリスの社会は差別を内包した、クラスシステムが生き続けていたわけだが、優越性が磐石であれば、口汚く非難することは必要なく、微笑んでいればいいわけである。現在のようなチャヴ攻撃は、中流階級がその地位を維持するために、ズバリお金をどっかから…

「チャヴ」

今日は前から読もうと思っていた本をゲットした。「チャヴ 弱者を敵視する社会」チャヴとはイギリスの労働者階級を指す、差別的な名前である。イギリスは昔から、今でもクラス社会であるのは、知られたことだが、ここまで露骨に堂々と、新聞やテレビや政治家…

「これがすべてを変える」10

環境問題において、インデアンの人たちの抵抗は、その方法も凄まじく高度でかつ粘り強い。 カナダでの採掘企業に抵抗するため、アメリカの格付け会社と談判する。投資家がいるから企業はやるわけで、カナダの格付けが高すぎるのは問題であると。カナダの法律…

「これがすべてを変える」9

さてそろそろまた始めます。 これまでも石油や石炭の採掘会社が、やりたい放題して地域の人たちが、被害にあった例は多いが、力関係が違いすぎて泣き寝入りすることがほとんどだった。最近の傾向としてアメリカ国内で反対運動が起こったことで、注目を集めや…

「暗夜行路」

「暗夜行路」読み終えました。割りに面白く読みましたが、人間というのは厄介ないきものだなと。話としては時任謙作という小説家の主人公が、あれこれ悩む話。大人になるまで知らされていなかったが、実は自分は母と祖父の間の子どもであると聞かされる。実…

「暗夜行路」

今「暗夜行路」を読んでいる。初めてである。これは1922年が初版である。大正11年という事だが、小説とはいえ、生活が今よりずっとリッチで、羨ましい。本当になんというか、豊か。これは東京が舞台で全国的にこうだったとは思えないが。以前も大正時代の話…

「これがすべてを変える」9

このイギリス、チチェリーホールでの会議の章には、二回日本の話が出てくる。この会議が開かれたのは、2011年。会議の2週間前に、福島の原発事故が起きている。会議の開催中もニュースのトップは、ずっとこれについてであったという。「それでも、この大惨事…

「これがすべてを変える」8

2011年のイギリスの王立協会の会議の報告では、私は気が変になりそうであった。イギリスの豪華な領主の館を保存した、王立協会の持ち物であるその館に、世界の著名な学者が集まっている。費用はほとんどビルゲイツが持っていると。(会議に出席はしていないが…

これがすべてを変える」6

環境保護団体は何をしたか。もともとの話としては、環境保護という考え方は、白人の金持ちが思いついたことです。自分たちの素敵な場所を残したいという事。だいぶ前に「世界」に出ていた、フランスのフィガロの翻訳で、エーデルワイスについての記事を紹介…