松井なつ代のやま

ステンシルのイラストや本の紹介、麹の話、そのたいろいろ。

雰囲気の話だけど

孤立させて、手助けが欲しい時は、サービスという名前の商品をお金で買わせる訳だから、個人主義は資本主義と仲間なんだと思う。 無銭経済宣言のマークボイルは、たった一人で、無銭生活をしたから、なかなか忙しかった。ご飯を食べるにも火を起こして、それ…

「不如意の身体」

「不如意の身体」は面白い。中身と一体になっているんだけど、考え方がなるほどと思う事ばかりである。 色々こんがらがった事を考える時、私なんかは頭がついて行ってないから、つい単純化して答えを得ようとする。何か綺麗な解を得てスッキリしたい、という…

「モンテレッジョ小さな村の旅する本屋の物語」

なにしろ本の話なので、私にはもちろん面白かった。本を売り歩く行商の人たちの事だが、最初は暦や聖句のようなものを売り歩いていたわけだから、日本にもほとんど同じような人たちはいた。ただし村ごと世襲でこの職業を担ってきた事、今もその子孫たちが各…

ブラックハウスと曲り家

今また無銭経済宣言を読んでいるのですが、その中にイギリスの古くからある民家、「ブラックハウス」というものが出てきます。石と泥でできた壁と草葺きの屋根の家です。この家では牛や豚や羊も一緒に住んでいたらしいのですが、前読んだ時も思ったけど、南…

デイズ休刊

休刊のお知らせフォトジャーナリズム月刊誌DAYS JAPANは来年2月20日発刊の3月号で休刊となります。11月20日発売の12月号にお知らせ記事を掲載します。15年もの間本当にありがとうございました。定期購読料の払い戻しについては、購読者の方に直接お知らせい…

「スエロは洞窟で暮らすことにした」

訳者よりご恵贈を賜り、「スエロは洞窟で暮らすことにした」を読みました。私はいつもスクリプタを読んでいるので、広告でおもしろうそうだなぁと思っていた。マークボイルの無銭経済宣言にも、ちらりとお名前は出てきたし。大変面白く読みました。 スエロと…

最先端、、

「ユダヤ人の起源」は今んとこずっと、ネイションという言葉の定義の話で、小難しい。小石などという言葉は、実体と言葉の関係は、はっきりしていて変わらないが、ネイションなどというものになると、歴史的にもいろいろな使われ方をしてきて、時に意図的に…

「ユダヤ人の起源」げっと

「ユダヤ人の起源」が文庫本のくせに、えらい厚くてびっくりやんか。帰りのバスで少し読んだが、序文からこれはすごいぞと、私の長年求めていた本だとわかった。 訳者の解説を読んで、見識の高い事に驚き、検索してみたら、なんと高橋武智氏は本物の活動家だ…

「世界」から、プラスチック問題

プラスチックの問題もまた、日本ではちっとも真面目に検討されない話題である。産業界の政府への影響力が強い我が国では、大企業が大きな設備投資を必要とすることや、商品をより安く作れなくなるような話題は大嫌いである。国民もまた賃金が抑えられている…

「世界」9月号から

このところスペインに興味があるわしなので、「世界」の中のスペインの記事をまず読んでみた。 ポデモスが躍進し、市民運動も活性化しているスペイン。マドリード市の市長は革新系の二年目。安く借りられる公共住宅を、目標4000軒のうちとりあえず970軒完成…

現代思想ゲット

ちょっとさぼっていたので、今日は世界を買いに行く。世界は沖縄の特集。駅前の大入道のおっちゃんは結局、カムバックできないまま、お店はなくなってしまった。私は電車で買いに行くしかなくなった。おっちゃん、どうしてるかなぁ。 世界のそばの現代思想が…

「今でなければいつ」

「今でなければいつ」は、「これが人間か」「休戦」とは違って、事実に則った小説である。前の二作は著者の体験を、当時実際に見聞きした事だけに限って、書き記したもので、戦争の情勢の実際の動きも、噂で知る範囲の記述しかない。 今度の作品は著者がミラ…

再読の勧め

プリーモ・レーヴィの、「今でなければいつ」にかかった。これは自分で持っていた本で、若い頃に読んだもの。若者には旺盛な好奇心、なんでも吸収する柔軟性、どんどん読めるエネルギーなどがあるが、その理解力に関してはどうだろうか。これを若い私がわか…

本の未来

私のような、専門家でもなく日本語しか解さないおばさんが、いくら知りたいと思っても、正しい新しい知識を得ることは難しい。専門書や論文などは無理だし、一般書が出て初めてアクセスできる。その本も年々読む人が減って、出版される量が減っている。おま…

シャワー室

汽車から降りたユダヤ人は、手際よく、事務的に迎えられ、「シャワーのため」裸になるよう、勧めを受けた。時には石けんとタオルを手渡され、シャワーの後には熱いコーヒーが出る、という約束まで与えられた。事実、ガス室はシャワー室のように偽装され、水…

「これが人間か」

「休戦」は伝染病患者の部屋で取り残された仲間の、一人の死体を外に運んでいる時、ロシア兵が現れるというところから始まる。「これが人間か」は、逮捕された著者が、ゲットーに集められていたイタリア系ユダヤ人と一緒に、アウシュビッツに向けて出発する…

「梁塵秘抄」4

今様はその名の通り、今現在の世の有様をいち早く歌にしているから、流行りのファッションから政治的な物まで、本当にテーマは多岐に渡る。梁塵秘抄を書いた後白河院は本当に面白い人で、次の天皇を誰にするかの、やばいゴタゴタに対する批判的なものも、自…

「梁塵秘抄」3

「神ならばゆららさららと降りたまえいかなる神か物恥ぢはする」 これは今回買った植木朝子編訳の「梁塵秘抄」には取り上げられていない歌である。井上靖の「後白河院」の中に出てきて、梁塵秘抄買うべ、と思うきっかけになった歌である。この全体的な不敬な…

「梁塵秘抄」2

今様のテーマは本当に色々で、どれから紹介しようかと迷ったが、それなら聞いたことある、とみんながわかるものが、良いと思って、これにした。 「遊びをせんとや生まれけむ戯(たわぶ)れせんとやうまれけん遊ぶ子どもの声聞けばわが身さえこそ揺るがるれ」一…

「梁塵秘抄」さわり

日曜日の午後に地元の本屋に注文した本が、火曜の午前中に着いた。みんな達も本は本屋さんで買いましょう。これで安心して読める。借りた本は付箋とか付けられないから。 「梁塵秘抄」をパラパラ読み始めたが、予想に違わぬ面白さ!今様は歌うものだからどう…

お願いだぜ!

ついに、「これが人間か アウシュビッツは終わらない」にかかった。私はこれが彼の代表作であり、様々な国で読まれ、今世紀に読むべき本に選ばれている、大事な一冊であることは知っていた。それなのにこれを最後にしてしまった。もちろん恐ろしかったからで…

「休戦」おまけ

プリーモ・レーヴィと私とでは、生まれた時代も場所も受けた教育も食べたものも、全く違うわけだが、どうしてこうも何の問題もなく共感できるのだろうか。現在日本に住んでいる多くの日本人の、考え方や行動の方が、私には理解できないものが多いように思う。…

「休戦」6

ロシア人と歌についてもう一つ、短い文章だが非常に印象的だった話を。 長い間いろんなところで散々待たされ、その都度、希望や郷愁の思いと絶望を繰り返したが、ついにイタリア人たち、(アウシュビッツ生き残りだけではなく)総勢1400人を乗せた列車が出発す…

「休戦」5

1945年5月8日に戦争は正式に終わり、ロシアもヴィクトリーデイということになった。 この時に著者は、やや呆気にとられながら、ロシアの隠し持っていた強烈な魅力に、圧倒される。「ソヴィエトは巨大な国で、その内奥に大きな情熱のかたまりを宿していた。そ…

「休戦」4

彼らはポーランドにあったドイツ軍の収容所から、ロシア軍によって助け出された訳だが、ロシアの組織の特徴は、今風にいうとアバウト、全てが大雑把。誰に聞いても先の予定はわからず、実は計画というほどのものは、そもそも存在しなかったのかもしれないと…

「休戦」3

この本には正にありとあらゆる種類の人々が出てくる。同じ収容所の生き残りの中には、ちっぽけな悪党や商人やレンガ工、その他いろいろの風変わりで個性的な人物が登場する。著者自身はトリノで化学を学んだドットーレであり、インテリである。しかしそうい…

「休戦」2

レーヴィは九死に一生を得て、アウシュビッツから抜け出したわけだが、そこから直接トリノに帰ってこられたわけではない。ぐーっと、右の方に、ロシアの奥の方を回って、それから下の方へ行って数々の国を通り抜けて、さんざん大回りをして、イタリアに帰り…

プリモ・レーヴィ

プリモレーヴィの再読運動が、姉方面で起きていて、私は「今でなければいつ」しか読んでなかったので、今「休戦」を借りて読み始めた。彼はトリノで捕まりアウシュビッツを生き延びた。ドイツが逃げ出す時、たまたま猩紅熱にかかっていて、伝染病の病棟にい…

エルサ・モランテ

自分の本の整理をしていて、エルサ・モランテの「アンダルシアの肩かけ」が出てきた。この本のことはすっかり忘れていて、もう一度読むことにした。表題作はやや長いがあとはみんな短編である。モランテはお話作りが上手すぎるから、読み急いでしまって、忘…

海苔巻き

この前金沢に行った時、昆布屋のしら井さんでかんぴょうを買いました。姉が最近滅多に出ないからと、プッシュしてくれたので。それで、ひさーしぶりに海苔巻きを作ろうと、タイミングを見計らっていたのです。古本屋のお兄さんが来てくれるというし、娘も来…