松井なつ代のやま

ステンシルのイラストや本の紹介、麹の話、そのたいろいろ。

「虫のすみか」

私は毎日気分が良くないわけだが、娘が貸してくれた「虫のすみか」を読んで、中和するように頑張ってみた。私の好きな小松貴先生!の本である。 様々な虫の生活パターンの、驚くべき多様性が、すごすぎる。我々はみなこの地球を舞台に生きているわけだが、使…

日本社会のしくみ

この本は欲しいと思っていたんだが、忘れていた。昨日本屋に寄ったらちょうど目につくところにあったので、そうそうと思って買ってきた。私は社会学者の本をたまに読む。最近2人ばかりクビにしたが、笑小熊さんは引き続き贔屓にしている。以前自分の父親の一…

師匠は熊にかぎる

「昔から地球上に、お前たち生きろと神様から言われて分布しているいきものは、生きていてほしいと思うね。虫一匹だっていなければ人間に困ることだってある。中略だからクマはクマなりの存在価値があって、この世界になくてはならないものだと思うんですよ…

「与謝野晶子歌集」

歯医者さんの帰りに、恐怖の体験を忘れるために、一度入ってみようと思っていた、割に最近できた児童書の古本屋に立ち寄った。全てが子ども向けではなく、店の中に入ると大人の本がかなり多かった。というか児童書は思ったより少なめ。児童書の古本は少ない…

世界7月号より

7月号の世界の特集は「原子力産業の終焉」である。いくつか読んだが、確かに如何ともしがたいオワコン感であった。意外だったのはアメリカの原子力産業の寂れぶり。原発の圧倒的先進国だったはずが、技術的にももはやその面影はない模様。大量の電力消費国と…

「羊飼いの暮らし」2

著者ジェイムズ・リーバンクスの羊たちは、フェルと呼ばれている山に放されている。羊たちは人の世話を受けず自由に自然の中で生活する。山の草を食べて子どもを育てる。途中、毛を刈る時や出産などで何度か山から下ろす。冬場は干し草を羊飼いたちがフェル…

「羊飼いの暮らし」

借りて読んだ「羊飼いの暮らし」が、大変面白かった。イギリスの湖水地方、北のほうの西側、ピーターラビットのポターさんが押しまくった場所で、数千年前とほとんど変わらない方法で、在来種の羊を飼っている人が書いた本である。フェルと呼ばれるなだらか…

コービンの話

コービンの本を読んでいて、あー同じだなぁと思うところがある。コービンが労働党の党首になってから、いっときも休まず、党本部と事務方はコービンの邪魔をし続けていた。そして総選挙になってもそれをやり続ける。反コービン派の議員に手厚く選挙資金を配…

注文していたもう一冊

もう一冊買ったのは、「候補者ジェレミーコービン」 この本の翻訳者の藤澤さんのツイートで、コービンの事は、リアルタイムでワクワクしながら追いかけていたが、それがそっくり立派な一冊の本になっている。これが面白くて止まらない。 残念ながら岩波の本…

五日市憲法

この前の号のビッグイシュー、まだ読んでない記事があった。「五日市憲法」について。名前しか知らなかったが、これは予想以上に凄いものであった。幕末から二十数年の間に日本の各地で、民間人による憲法の草案が実に102も!作られた。その一つである。長く…

「古都の尼寺」

ごくたまにこういうことがある。つい最近読んだ本とその後に読んだ全然別の本が、偶然急に繋がるという事が。この本は先だって、お家を建て替える方から、様々なものと一緒に頂いたものである。しばらく読まずにいたが、このたび手にとってみた。中は半分が…

明月記を読む読了

明月記を読むを読み終えた。はっきりわかったのは、私には和歌を鑑賞するのは無理ってこと。古今集、新古今集の時代の歌は、やはり基礎知識、教養がないと無理や。素朴な万葉集や、和歌が避けた、リアルなものや日常的なもの上品でないものも詠んだ今様、な…

明月記を読むをよむ

上下巻あるしどうしようかなぁと悩んだが、近所の本屋に注文していた本が届いた。本を読むのは久しぶりな感じ。定家の歌をそんなに詳しく知っているわけでもないが、最初の方だけ読んでも、その才能は凄いなぁと思う。10代20代の頃の作品の成熟度には恐れ入…

「江戸庶民風俗絵典」

「江戸庶民風俗絵典」という本をもらった。これに類するものの文庫本サイズのは、2冊持っているが、これが優れているのは、著者の三谷一馬氏の詳細な説明がついているところ。別の冊子になっていて絵をみながら読むことができる。時間があれば眺めているが、…

法然

法然少年は本当に賢かったと見えて、13でお山に入るのですが、先生に私じゃ荷が重い、もっと偉い先生とこ行きなさいと、たらい回しされるほどだったのでした。仏教には中国の偉いお坊さんの書いた本や、それを学んだ日本のお坊さんの書いた本など、沢山の立…

ガザから比叡山

岡真理先生のパレスチナの本を読み始めたが、しんどくて休憩を入れている。割と発言しておられるのでお名前は見かけていたが、著書を読むのは初めてだった。カナファーニーの「太陽の男たち」を読んで、パレスチナ問題に取り組む事になったらしい。私も数年…

再燃気味

室町言葉の記事で、島原半島で印刷されたと書いたが、日葡辞典は長崎で印刷されたらしい。印刷機も迫害のあおりで随分移動している。思い出して「活版印刷人ドラードの生涯」を、出してきて年表を見て確認した。ドラードは日本名がないが、ポルトガルと日本…

文化について

「残響」の中に「今でなければ」の話が出てくるが、その中でドーヴという老パルチザンについて、彼は死なせたくなかったと、プリーモ・レーヴィが言っている。この本は綿密な下調べを経て作り上げた小説で、事実を元に書いているが登場人物は著者の創作であ…

「プリーモ・レーヴィ失われた声の残響」

失われた声の残響をやっと読み終えた。プリーモ・レーヴィの、著作以外の、講演での発言やインタビューなどでの受け答えが、大量に取り上げられている。彼はアウシュビッツでの体験を書こうと決意し、そのことによって生き延びた。彼は著書の中で、なんの痕…

次に回ってきた本

プリーモ・レーヴィを読んでいると、厳しい話でも愉快な話でも不思議な話でも、非常に気持ちよく読める。気持ちいいというのはすっきり明晰であるからで、どんな味のものでも、奥で一本につながっていて、その書き手本人に醜い部分、虚飾がない。あざとい技…

「周期律」3

周期律の21編のどれもがそれぞれに面白い。最初の「アルゴン」は著者のルーツにまつわる、さまざまなユダヤ人、その言葉や文化が色々披露される。化学者として塗料会社で仕事をしていた頃の、実話をもとにしたものもあれば、まったくの創作の、時代も場所も…

周期律2

化学と文学が随分と遠い世界なのだと感じるのは、我々が理系文系という謎の二分法に毒されているからだろう。スケール感が違うとまったく違う見え方になるのは、世の中にはよくある事であるが。原子の動き変化を表す化学式のようなものは、我々の目には見え…

「周期律」

プリーモ・レーヴィの周期律が素晴らしくて、完全にびっくりであった。休戦、これが人間か、今でなければいつ、を読んだ後、イリスという短編集を読んだ。化学者が小説家になると、こう言う発想の物語ができるのかと驚いたが、この周期律もまさにそれである…

世界2月号より

今月の世界もなかなか読み応えがある、と言うか、結構苦しいものである。三宅芳夫氏の「リベラル・デモクラシーの終焉?」を読むと冷戦の終結は、地球上すべての地域が、資本主義体制の前に屈したという事、あれ以来世界は新自由主義グローバリズムの激流に…

「みな、やっとの思いで坂をのぼる」1

みな、やっとの思いで、は良い本であった。水俣病センター想思社の職員である、永野三智氏の著書であるが、私はここの事を知らなかった。知っていれば水俣に行った時に行くべきはここであった。ホームページなども見てみたが、水俣の街を案内するツアーに参…

ブックファーストで、

最近私の読書友達に参入していただいた、吉田さんのお勧めで、「みな、やっとの思いで坂をのぼる」を買ってきた。新宿の紀伊国屋の代わりに、西口の派手なビルの地下にある、ブックファーストを使う事にした。バスで行く時は特に便利な場所だが、地下という…

不如意の身体ちょろっと

立岩真也の本は非常に面白い。言葉自体は難しくないし、扱うテーマが特別なわけでもない。ただ自分は物をこういうふうに考えてこなかったな、というような事を随所で感じるから、思考の経路が不慣れなせいで、全体としては難しい。こういう難しさもあるんだ…

密かに計画中

今年は暖かくなったら、我が図書館でお話会をしようという計画がある。この前の味噌作りで子連れ三人組が集まった時、子守をスカウトしないとできないかなぁと、ちょっと考えた。ちょうど適任と思った友人が帯状疱疹にかかって、無理だったんだけど、その事…

蛸読了

蛸の本やっと読み終えた。しばらくしてもう一度読んでから、改めて紹介したい。肝心の部分がちゃんとわかっていないかもだから。それにしてもやはり違和感があるのは、本のタイトルである。原書の題はOTHER MINDSと言う。蛸とわれわれの共通の先祖は大昔に枝…

蛸の話2

蛸の本は意外に難しくて、まだ途中だが、一回読んだだけではよく理解できない部分がある。でも面白いしいろいろ考えさせられる。本当に不思議な生き物である。蛸は固有の形と色を持たない珍しい生き物なので、個体識別が非常に難しい。著者は彼らの表現者と…